広報さがみはら No.1304 平成27年(2015年)1月1日号 4.5面 ---------- 語ろう!未来 新春特集 子どもたちと考える、明日の相模原  未来の主役、それは子どもたち。その声を市政に反映することを目的に行われている「市政を語る会(学校訪問)」は、毎年市長が市内の小学校を直接訪問し、これからの相模原について、子どもたちと共に考え、意見を交換する場です。  今回訪ねたのは、共和小学校の6年生123人の皆さんです。市長からの市政の話を真剣な表情で聞いた後は、同校ならではの取り組みについて、市長に発表しました。意見交換では積極的に手が上がり、市長への質問や意見がたくさん出ました。60年前の相模原と今の相模原。そして、これからのまちづくりの計画など、話はいくつもの時代を超え未来へと向かいました。相模原の明日を担う子どもたち。しっかりと感想を話す子どもたちの姿がとても頼もしく思える、充実したひとときでした。  頑張れ、次代のさがみっ子たち! 相模原の未来へ、バトンをつなごう 〈市長から子どもたちへ〉 市制施行60周年を迎えて  昨年11月20日、相模原市は市制施行60周年を迎えました。人口約8万人でスタートし、基地問題や人口急増など幾多の課題を乗り越え、72万人を超える人たちが暮らす大きな都市へと発展しました。  これからは、広域交流拠点都市として、相模原市だけではなく周辺の都市や地域と連携しながら、発展をしていかなければなりません。本市はその中心的な役割を担っていきたいと思います。 広がる可能性  相模原は、今後大きく変わろうとしていて、そのためのポテンシャル(潜在力)を持っています。その一つが相模総合補給廠(しょう)の返還地利用計画です。米国政府から国に返還された土地〈約17ヘクタール(共和小学校約9・5校分)〉に、国際会議場などの建設や、小田急多摩線の延伸構想があります また、キャンプ淵野辺留保地〈約16.5ヘクタール(共和小学校約9校分)〉には文化・研究・教育施設のほか、公園やスポーツ施設の建設などを計画しています。 発展していくまち  相模原は、産業都市、工業都市としての発展をめざしています。それには広域交通網の整備が大切ですね。圏央道はすでに市内区間が開通し、3月には相模原インターチェンジが開設する予定です。そして12年後の平成39年、リニア中央新幹線が開通し、橋本駅付近に神奈川県駅ができる予定です。そうすると、名古屋まで約30分、東京までは約10分。また、小田急多摩線が延伸されれば、相模原駅や上溝駅から新宿まで直通で行けるようになります。  人の行き来が増えて、産業や文化の展にとっても、大きな力になりますね。 次代を担う皆さんへ  相模原は自然が豊かなまちです。教育施設や研究施設もたくさんあり、JAXAのような宇宙に関する最先端の事業を担う施設もあります。また、さまざまな魅力を持った人や、皆さんのように元気な子どもたちもいます。  たくさんの可能性を持った相模原市…誰もが安全に安心して暮らせるようなまちであり続けなければなりません。未来への夢のバトンは、相模原の次代を担う皆さんへ引き継ぐことになります。  よく学び、運動をして、心身ともに元気な体をつくり、これからの相模原のまちづくりの大きな原動力になってほしいと思います。  共和小学校の取り組み 〈子どもたちから市長へ〉  四つの特徴的な取り組みについて発表がありました。 ●県立相模原中央支援学校との交流  隣の支援学校の校庭で遊んだり、一緒に授業を受けたり、総合学習で見学に行ったりと、交流を続けています。二つの学校の友達が自由に行き来できるよう、互いの敷地をつなぐ「絆の門」もできました。 ●運動会での頑張り  昨年5月の運動会で集団行動と組み体操を行いました。集団行動は初めての挑戦。大人数で形を乱さずに歩いたり、二列に並んでそこから隊列変換などをしたりと、チームワークが要の演技です。組み体操も今年は難しい技に挑戦。どちらも諦めずに練習を重ね、当日は全力を出し切りました。 ●吹奏楽団の活動  メンバーは3年生から6年生まで63人。昨年7月に行われた吹奏楽コンクールでは金賞を受賞し、東関東大会へ進むことができました。他の小学校との交流や合宿なども行っています。これからも感謝の気持ちを忘れずに、人も自分も楽しめる演奏を心掛け、「伸びよう」「楽しもう」「感謝しよう」をモットーに頑張ります。 ●JAXAとの交流  勉強やクラブ活動などで日頃から交流があります。JAXAから招待を受けソユーズの打ち上げを見守ったり、平成24年5月の金環日食の時には、JAXAの人に学校に来ていただき、観測の仕方を教えてもらったりしました。 市民の皆さんが願うまちにしたい 〈子どもたち×市長〉 Q子どもの頃の将来の夢は?  市長 私の子どもの頃は、相模原には何もなかった時代。年1回、新宿のデパートに連れて行ってもらうのが楽しみで、相模原にもそんなお店があればいいなと思っていました。漠然としてですが、自分の住んでいるまちがもっと良くなれば、便利になればとの思いは持っていました。 Q政令指定都市になって 良かったことは?  市長 県と同じぐらい多くの権限を持てるようになり、市民の皆さんの考えがまちづくりに反映しやすくなったことですね。でも、政令指定都市になって一番大切なことは、市民一人一人が自分たちのまちをどのようなまちにしたらいいか、自分たちで考え、実現していくことだと思います。 Q相模原市で一番好きなところは?  市長 みんな好きですね。自然が多いところ、新しい街並み…。緑・中央・南の3つの区、それぞれに特色があって、どこも素晴らしいと思っています。  名所や風景はもちろんのこと、相模原には、優れた活動をしている人たちがたくさんいます。特色あるイベントなども多く、たくさんの魅力を持ったまちだと思います。 Q市制施行60周年、これまで大変だったことは?  市長 市の人口が急増して、一年間に学校を4校も5校も建てなければならない時代がありました。財政的にも厳しいときで、とにかく教育施設を優先的に造るために一生懸命でした。  まちづくりには、これで完成というものはありません。その時々でいろいろな問題が出てきます。でも、市民の皆さんに喜んでいただき、子どもたちが健やかに成長できる環境をつくっていくことが大切なのです。それは大変なことですが、私の喜びでもあるんです。 ---------- わがまちに誇りを持つ子どもたちに 共和小学校 校長 神村敏子さん  共和小学校は、緑の多い遊び場である鹿沼公園や淵野辺公園内の銀河アリーナ、市立博物館や図書館など、相模原市の重要な施設が学区内にある恵まれた学校です。  隣接する県立相模原中央支援学校とは、2年前から両校の児童・生徒が触れ合う交流活動に力を入れています。本校の遠足に支援学校の児童が参加したり、一緒に図工の学習に取り組んだり、本校の児童が支援学校の校庭に花摘みに行ったりするなどの交流が続いています。  また、すぐ近くにJAXA相模原キャンパスがあります。JAXAの職員の皆さんには、2年前の金環日食の観察のときも宇宙の不思議について教えていただきました。若田光一さんの乗ったソユーズの打ち上げの時には、高学年の児童がJAXAのパブリックビューイングでカウントダウンをしたり、科学クラブの児童が毎年見学に行ったりしています。こうした中で、宇宙に関心を持つ子も育っています。  このような恵まれた環境の中にある本校の子どもたちが、相模原の良さを知り、もっと好きになってほしい、誇りと感謝の気持ちを持って、未来の相模原で活躍してほしいと願っています。 ---------- 私たち、相模原が大好き! 目標はこれから! 反町みれいさん  昔と比べて便利になった今の相模原市。リニア中央新幹線が走ったり、小田急多摩線が通ったり、変わっていく相模原市をこれからも見ていきたいです。将来がとても楽しみになりました。今年はいよいよ中学生。これから目標を決めて、勉強を頑張ります! 未来が楽しみ! 山本真也さん  市長のお話で、知らなかった昔の相模原市の様子がよく分かりました。12年後の相模原のまちや未来についての話は興味が湧き、とても楽しみになりました。いろいろなイベントがある淵野辺公園でよく遊びます。将来は科学者になって、JAXAで働きたいです。 未来は僕たちが! 里井崇哉さん  60年間で大変なときもあったと思うけれど、今の相模原市には遊んだり学んだりするところがあり、買い物するにも便利で住みやすいと思います。これからの相模原市を僕たちが引き継ぎ、引っ張っていくんだと思うと、頑張らなくっちゃと思いました。 リニア中央新幹線に乗ってみたい! 中嶋茉由さん  リニア中央新幹線の話が興味深かったです。ぜひ乗ってみたいです!あと米軍基地の跡地にどんなものができるのかも楽しみです。相模原市は自然がたくさんあって、遊ぶところも多いのが好き。将来は獣医さんになりたいです。 ---------- 一緒に考えよう相模原の未来 相模原市長 加山俊夫  「市政を語る会(学校訪問)」として、共和小学校を訪ねました。子どもたちの意見や質問はとても新鮮で、私自身、大変勉強になりました。また、活動の成果をしっかりとみんなの前で発表する姿はとても頼もしいと感じました。県立相模原中央支援学校との交流、運動会での集団行動、吹奏楽団の活躍、そしてJAXAとの交流など、どれもたくさんの人との関わりがあります。日頃からそれらを大切にして取り組んでいると聴き、大変うれしく思いました。人は、一人では生きていけません。助け合う心、思いやる心、そして感謝の心、これは相模原のまちづくりの原点でもあります。  相模原市民の平均年齢は、42.8歳※。政令指定都市では、川崎・福岡・仙台市に次ぐ「若い都市」です。一方で、超高齢社会や人口減少への対応など、かつて経験したことのない課題にも直面しています。  子どもの健やかな成長は、社会全体の願いです。市では、保育所や児童クラブの待機児童解消等の子育て環境の整備や、小・中学校への冷暖房設備の設置等の教育環境の整備など、子どもたちが安全で、安心して生活できるよう、取り組みを進めています。  今、相模原は大きく変わろうとしています。将来、私たちが住むまちをどのようにしていくか。未来の相模原について、これから皆さんと共に考えていきましょう。 ※平成22年国勢調査より ---------- 宇宙大航海へ臨む「はやぶさ2」を応援しよう!  「はやぶさ2」は、目標の小惑星「1999JU3」に到着した後、さまざまな観測を行います。  小惑星表面の物質採取のほか、新規設計の衝突装置を小惑星に衝突させ人工クレーターを作り、内部構造・地下物質の観測や露出した地下物質の採取も試みます。小惑星には有機物が存在する可能性があり、任務が成功すれば生命の起源の謎を解く、大きな発見があるかもしれません。頑張れ「はやぶさ2」! 「はやぶさ2」の今後の予定 平成30年 小惑星到着 小惑星表面の物質を採取 衝突装置を分離し、人工クレーターを作り、内部物質を採取   31年 小惑星出発   32年 地球へ帰還