広報さがみはら NO.1247 平成24年(2012年)8月15日号 6・7面 みんなで担うまちづくり 協働による地域活動・市民活動を推進します  地域を取り巻く課題が複雑化し、その課題の解決や地域の活性化を進めるために、地域活動や市民活動の重要性が高まっており、さまざまな「協働」の取り組みが活発化しています。  これらの活動をより一層進めていくため、個人をはじめ、自治会などの地域活動団体、NPOなどの市民活動団体、大学、企業などのさまざまな担い手が手を携え、皆で支え合う意識の下に、それぞれの役割をもって、共に公共を担っていくことが求められています。  そこで、本市では、「協働」による市民の力を生かした創意と工夫があふれる皆で担う地域社会を実現するために、平成24年3月に「市民協働推進条例」を制定しました。  今後は、「協働」に関する施策を総合的かつ計画的に進めるため、皆さんの意見を伺いながら、「市民協働推進基本計画」を策定するなど、活動を促進する環境づくりや、「協働」による活動事例の紹介などに取り組みます。 ---------- 「市民協働推進条例」の内容 「協働」の定義  市民と市及び市民と市民が、目的を共有してそれぞれの役割及び責任の下で、相互の立場を尊重し、協力して、公共の利益を実現するために活動すること。 【目的】 皆で担う地域社会の実現 ・市民及び市の役割を明らかにする ・協働を推進するために必要な事項を定める 【基本理念】 人と人との絆を大切にするという意識の下、互いに支え合い、助け合い、協働を推進 【協働の基本原則】 @相互理解 A目的共有 B役割合意と協力 C自立 D透明性の確保 【市民の役割】 @ 協働によるまちづくりの推進に努める A 協働について理解を深め、育んでいくよう努める B 地域活動・市民活動の推進に努める 【市の役割】 @ 施策の推進・環境づくりに努める A 協働により実施する事業について、さまざまな場面で協働により取り組むよう努める B 必要な体制を整備するよう努める 【基本施策】 @情報の収集・発信 A学習機会の提供 B財政的支援 C場の提供 D事業を提案できる機会の提供 など 【市民協働推進基本計画】 【相模原市市民協働推進審議会】 ---------- 指定法人申し出受け付け中! 指定を受けてNPO法人の活動を広げませんか 〜寄附で市民活動を支援する仕組みができました〜  市では、市民が地域課題の解決や地域活性化に取り組むNPO法人の活動を支援するための新たな制度を設けました。この制度は、条例で指定されたNPO法人へ寄附をした人の個人市民税が控除されるもので、県・横浜市・川崎市と連携して、全国に先駆けて創設しました。  現在、NPO法人の指定の申し出を受け付けています。 指定NPO法人になると… @市民からの寄附が受けやすくなります。 A条例で指定されることで、公益性など法人の位置づけがより確固となり、広く存在を知られることにつながります。 Bさらなる税制上の優遇措置が受けられる「認定NPO法人」になるための要件の一つである、パブリック・サポート・テスト(NPO法人が広く市民から支持されているかどうかを判断するための基準)を満たすことができます。 ---------- 事例 自治会と市との協働〈災害時要援護者避難支援モデル事業〉 事業の内容  災害時要援護者(高齢者や障害者など)に対する情報伝達や避難支援に取り組むボランティア(避難支援者)の体制を整えることで、災害発生時には、ボランティアがそれぞれの担当する要援護者宅を訪問し、その状況を自治会に報告し、必要な支援につなげていきます。 めざしていること  地域の中での支え合いの体制を確立し、防災力を高めていくことをめざしています。要援護者とボランティアが顔見知りになれば、皆さんが安心して暮らせるまちづくりにつながります。 協働している団体とその役割 ○自治会法人相武台団地連合自治会 ・自治会組織を生かした要援護者の支援体制づくり ○市(地域福祉課) ・自治会への情報提供 協働の主体である団体の代表者に聞きました。 〜「協働」が実現する地域の絆〜 相武台団地連合自治会 会長 佐藤あつ子さん  この取り組み以前に、私たちの自治会では団地管理組合にもご協力をいただき、緊急連絡先などを記載する「家族構成表」を作成していました。今回は、実際に災害が起きたときの支援体制づくりという、より現実に即した取り組みでした。  避難時に支援を必要とする人の情報は、自治会内でも把握が難しくなっています。しかし、市の役割でその情報が提供されるため、支援体制はつくりやすくなっています。  支援体制づくりの柱は、災害時要援護者を支援するボランティアを探すことです。ボランティアとして活動する人に趣旨をわかりやすく説明し理解していただくため、私たちはこの取り組みを「声掛け運動」と呼んでいます。このほうが参加しやすい感じがしますよね。  支援体制づくりに奔走していた昨年3月11日に東日本大震災が発生しました。私もボランティアとして「声掛け」をして回りました。私の顔を見て安心する皆さんを見たときに、この取り組みの本当の意義がわかったような気がしました。  支援体制をつくるうえで大切なのは、誰が誰を見守るのか、担当者をはっきりとさせることです。「誰かが」見守る、のではなく「この人が」見守ってくれるというつながりをつくることです。  市が関わることで、地域住民の信頼度・理解度も上がります。また専門的な知識を教わることができます。さらに現場で取り組む私たちのアイデアを合わせることで、地域の絆を大切にするまちが「協働」により実現するのではないかと思っています。 市の担当者からも一言!  橋本本町自治会、相生自治会もこのモデル事業に取り組んでいます。自治会の皆さんからは、私たちには思いつかないようなアイデアが出てくるので、「協働」による確かな効果を感じています。 ---------- 「協働」のまちづくりには欠かせない 自治会って、こんなに身近でこんなに大切!! 自治会は、みんなが笑顔で暮らせるまちづくりに大きく貢献しています。  現在、市内には594の自治会があります。自治会は、自分たちの住む地域を安全で安心して暮らせるまちにするため、知恵を出し合い、工夫を凝らしながら、皆さんになじみの深い防犯、防災、交通安全などに関するさまざまな活動を行っています。  このような地域活動を行うためには、自治会へのより多くの皆さんの加入と活動への参加が欠かせません。自治会へ加入して、自分たちの住む地域を元気にする活動に参加しましょう。 自治会に加入するには  お住まいの地域の自治会役員に申し込んでください。  連絡先がわからない場合は、市自治会連合会事務局(電話042−753−3419)へお問い合わせください。 ---------- 市民が発信!より身近な情報を 〜さがみはら地域ポータルサイト〜  地域情報を発信したり、サークルのホームページを作成したり、インターネット上でコミュニケーションや情報共有ができます。 まずはアクセス さがみはら地域ポータルサイト http://www.sagami-portal.com/ ---------- 事例 NPOと大学と市との協働〈藤野の歴史的建造物の保全・活用と再発見〉 事業の内容  藤野地区の神社・寺院・古民家を調査し、歴史的建造物としての特徴などを整理する資料を作成し、これらを活用しながら、建造物や周辺の自然環境を紹介するイベントを開催します。 めざしていること  藤野地区の歴史的な建造物を保全・活用し、訪れる人たちと地元の人たちとの触れ合いを通した地域活性化をめざしています。 協働している団体とその役割 ○NPO法人ふじの里山くらぶ ・建造物や自然環境を紹介するイベント開催 ・広報活動 ・地権者や地元との交渉 など ○横浜国立大学大学院 ・学術的な知識とノウハウの提供 ・建造物調査、資料まとめ ○市(街づくり支援課) ・広報活動 ・資料作成のアドバイスなど 協働の主体である各団体の代表者に聞きました。 〜「協働」で広がる私たちのまちづくり〜 ふじの里山くらぶ 理事長 永井基朗さん  ふじの里山くらぶが発足した平成16年に、横浜国立大学の大野先生との連携が始まりました。それまでの私たちには、歴史的建造物をまちづくりに取り入れるという発想がありませんでした。地元の人たちが気付かない魅力を大学側に教えていただき、今ではそれが次第に大きなまちづくりの流れに成長しています。  さらに、市が関わりを持つことで、藤野発のまちづくりが市全体へつながっていく可能性を感じています。  「協働」での取り組みは、それぞれが知恵を出し合って、単独ではできなかったことを実現するものであり、「協働」が成長していくことに期待を持っています。 横浜国立大学大学院 准教授 大野敏さん  私たちの大学では、50年以上前から藤野地区の古民家調査に関わってきました。ふじの里山くらぶや市と「協働」で取り組むことで、地元の人たちが気軽に私たちに接してくれるので、調査がスムーズに進むようになりました。また地元ならではのネットワークで貴重な情報をいただけるなど、まさに「協働」のメリットを感じているところです。  現在は、藤野地区中心の活動ですが、ふじの里山くらぶと市、そして私たちの三者の力が機能し合い、市全体を視野に入れた取り組みに発展していけばと考えています。 市の担当者からも一言!  私たちも、皆さんの情熱に負けないくらいの熱意を持って「協働」を進めています。今は藤野地区での取り組みですが、歴史的建造物をテーマにしたまちづくりの取り組みを市全域に広げていければと思っています。 参加者募集 藤野の歴史的建造物めぐり     徒歩で藤野地区の神社・寺院・古民家などを巡り、歴史や自然景観などの魅力を発見します。 日時 9月22日(祝日)午前9時〜午後5時 集合場所 藤野中央公民館 定員 60人(申込順) 費用 2,000円(資料代、昼食代、保険料) 申し込み はがきかファクス、Eメールに住所、氏名、年齢、職業、電話番号を書いて、8月31日(必着)までにふじの里山くらぶ(郵便番号252−0184 緑区小渕1689−1 藤野商工会内 電話・ファクス042−686−6750 Eメール tenomoto@k-skr.or.jp)へ ---------- 「協働」のまちづくりのための市民活動をサポート さがみはら市民活動サポートセンターは10周年を迎えます  市民活動を支援する拠点として、会議や作業などの場の提供、活動に役立つ情報収集、講座・イベントの開催など、これからも引き続き、皆さんの活動を支えていきます。 10周年記念事業 NPOと企業等のコラボフェア  市内で行われているさまざまな市民活動をパネルで紹介したり、活動の体験ブースの出展、NPO団体によるパフォーマンスが行われます。 期間 8月19日(日曜日)〜10月26日(金曜日) 会場 イトーヨーカドー古淵店やイオン相模原店など ※会場により開催日等が異なります。詳しくは同センターホームページをご覧になるか、お問い合わせください。 お問い合わせ さがみはら市民活動サポートセンター 電話042−755−5790 ---------- お問い合わせ 市民協働推進課 電話042−769−9225