広報さがみはら NO.1236 平成24年(2012年)3月1日号 2・3面 平成24年度 施政方針の大要  1ページに続き、市長施政方針を抜粋して掲載します。  全文は、各行政資料コーナーと市ホームページの 市長のページ でご覧になれます。 ※主要施策や予算のあらましは本紙4月1日号でお知らせします。 ---------- 重要な視点 地方分権改革の推進  国は地方でできる仕事や権限を手放し、国家としての重要政策に専念するとともに、地方は地域の個性を生かしながら、国の発展を牽引(けんいん)する都市の構築と市民福祉の向上に取り組むことが重要であります。  特に、市民の暮らしに最も身近な市町村にこそ、地域の実情とニーズを踏まえたまちづくりを、より可能とする幅広い権限と十分な財源が備えられるべきです。  このため、国に対し、地方分権改革の一層の推進を求めるとともに、72万市民の英知を結集しながら、地域の創意工夫が発揮できる分権型社会にふさわしい、市民主体のまちづくりを力強く進めていきます。 災害に強いまちづくり  東日本大震災では、本市でも主要道路や鉄道の機能不全、情報通信の遮断、水や燃料の不足のほか、数多くの帰宅困難者が生ずるなど、新たな対策の必要性が課題となりました。  また、今後もこうした規模の震災が起きることを想定し、国や他の自治体とともに、改めて、首都圏全体という視野からの防災体制や、広域的な圏域間での連携による支援体制を構築していく必要があります。  これらの課題は、緊急性の高いものとして、すでに対応に着手しているところですが、今年度はこれを一層加速して取り組んでいきます。  さらに、地震に限らず、昨年は台風による記録的な豪雨災害もありました。今後も起こりうるさまざまな災害に対し、あらゆる事態を想定しながら、市民の生命と財産を守るため、万全を期していきます。 将来を見据えたまちづくり  人口減少・高齢社会が進行する中、市民福祉の向上を第一として、福祉や医療、教育など、市民生活に直結した施策を着実に進めるためには、それを裏付ける財政基盤を確立していかなければなりません。  そのためには、都市としての成長戦略のもと、「人や企業に選ばれる都市づくり」を進め、活力ある相模原市を創造していくことが重要であると考えています。  こうした中、首都圏中央連絡自動車道の一部となる、さがみ縦貫道路が平成25年度に開通します。  また、リニア中央新幹線の県内駅につきましては、地元窓口である神奈川県や県期成同盟会(リニア中央新幹線建設促進神奈川県期成同盟会)との協議を踏まえ、橋本駅周辺を誘致地区として、JR東海に要請していきます。  さらには、相模総合補給廠(しょう)の一部返還の合意を得て、共同使用についてもその道筋が整いつつあり、小田急多摩線の延伸を含め、本市の新たなまちづくりの可能性が広がっています。  これらの展望を踏まえ、本市が首都圏南西部の広域交流拠点都市として大きく飛躍できるよう、中長期的な視野をもって、土地利用や産業政策を議論し、有効な取り組みを進めていきます。 ---------- 市政運営の5つの柱と主な取り組み  1 安全で安心して暮らせるまちづくり  防災、防犯、福祉や医療など、暮らしの安全・安心につながる取り組みは、あらゆる政策の中で最も基本となるものです。社会情勢の変化に的確に対応しながら、地域の連携や支えあいを基本として取り組んでいきます。 防災対策 (新規事業)帰宅困難者対策、地域の孤立対策、洪水対策などの対応に基づく地域防災計画の見直し (新規事業)国・県による地震被害想定の見直し結果に基づく防災アセスメント調査の実施 (新規事業)地域防災力の向上を目的とした(仮称)防災条例の制定に向けた取り組み (新規事業)相模総合補給廠一部返還予定地を中心としたまちづくりにおける防災支援拠点整備の検討 (継続事業)市域の放射線量の監視、放射能濃度の検査、測定器の貸し出し (継続事業)旧耐震基準の建築物の耐震化促進 (継続事業)電線類地中化事業の推進 (新規事業)ブロック塀等撤去奨励事業 (継続事業)雨水管整備、河川改修、雨水貯留施設等の整備 (継続事業)藤野分署の整備(建設工事) (新規事業)相原分署の整備(基本設計) (新規事業)防災消防訓練場の整備 (継続事業)高度救急救命が実施可能な救命士の養成(救急高度化推進事業) 暮らしにおける安全の確保 (継続事業)省エネ・高照度の防犯灯の設置補助 (継続事業)見守りパトロールなどの地域防犯力の強化 (継続事業)暴力団排除条例に基づく取り組み (継続事業)交通安全教室の実施、自転車マナーアップキャンペーンの実施 (継続事業)歩行者と自転車の通行環境の改善 (継続事業)自殺対策協議会の設置、自殺総合対策に係る行動計画の策定 (新規事業)配偶者暴力相談支援センター機能の整備 (継続事業)特別養護老人ホームの整備促進 (新規事業)認知症疾患医療センターの設置 (継続事業)介護人材の確保・育成 (新規事業)発達障害者支援センター機能の整備 (継続事業)重症心身障害児者施設の整備 (継続事業)保健医療計画の改定 (継続事業)健康増進事業 (継続事業)(仮称)北地区メディカルセンター開設準備 (新規事業)がんピアサポート事業の推進 (継続事業)住宅リフォーム助成 (継続事業)分譲マンション管理組合へのアドバイザー派遣 (新規事業)路上喫煙の防止に関する条例に基づく取り組み (継続事業)公契約条例に基づく取り組み 基地対策 (継続事業)米軍基地の早期返還、米軍機による騒音などの課題解消に向けた取り組み 2 夢と希望があふれる次世代をはぐくむ環境づくり  次代を担う子どもたちが、変化の激しいこれからの社会を生きるため、さまざまな経験を通していきいきと成長していくことができる環境づくりが大切であることから、社会全体で子どもを守り、豊かな心と生きる力をはぐくむための施策に取り組んでいきます。 子育てを支える環境づくり (継続事業)認可保育園の整備促進 (継続事業)認定保育室への補助、家庭的保育事業の実施 (継続事業)放課後子ども教室事業の実施、児童クラブ施設整備 (新規事業)子育て短期支援事業 (継続事業)こんにちは赤ちゃん事業 「生きる力」をはぐくむ学校教育の推進 (継続事業)「相模川自然の村野外体験教室」や「ふるさと自然体験教室」の特色を生かした体験活動・学習の実施 (継続事業)特別支援教育推進事業、少人数指導体制の充実 (継続事業)(仮称)上溝学校給食センター新築工事 (継続事業)若草小学校屋内運動場の改修 (継続事業)相武台小学校給食室の整備(平成23年度3月補正予算で予算措置) (継続事業)麻溝・相原・相武台・大島・中野小学校、大野台中学校の大規模改修(平成23年度3月補正予算で予算措置) (継続事業)学校トイレの改善(平成23年度3月補正予算で予算措置) (継続事業)さがみ風っ子教師塾の運営 (継続事業)教員採用試験の市単独実施 (継続事業)青少年教育カウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置 3 にぎわいと活力に満ちた都市づくり  将来にわたる都市の発展と暮らしの利便性の向上に向け、広域的な交通ネットワークの形成とともに、産業を中心とした新たな拠点や、にぎわいのある中心市街地の整備に取り組み、都市機能の充実を図っていきます。 交通ネットワークの充実 (継続事業)リニア中央新幹線の建設促進 (継続事業)小田急多摩線延伸の実現化に向けた調査検討 (継続事業)リニア中央新幹線の開通等を展望したまちづくりの将来像についての計画策定 (継続事業)さがみ縦貫道路の整備促進 (継続事業)津久井広域道路、県道52号(相模原町田)の整備 (継続事業)都市計画道路相原宮下線、相原大沢線、橋本大通り線、橋本駅北口線、相模大野線などの整備 にぎわいのある市街地づくり (継続事業)商店街が実施するにぎわいづくり事業等への支援 (継続事業)相模総合補給廠一部返還予定地等のまちづくり (継続事業)相模大野駅西側地区市街地再開発事業の促進・自動車駐車場の整備 (新規事業)アンテナショップの設置支援 (継続事業)小田急相模原駅北口B地区市街地再開発事業の促進 産業を中心とした新たな拠点づくり (継続事業)当麻宿地区土地区画整理事業等の促進 (継続事業)川尻大島界土地区画整理事業の促進 (継続事業)麻溝台・新磯野地区整備事業の推進 (継続事業)金原・串川地区の基本構想実現化に向けた調査検討 地域経済の活性化 (継続事業)ものづくり人材確保・育成事業、ハローワークと連携した就労支援 (継続事業)トライアル発注認定制度の実施 (継続事業)新技術実用化コンソーシアム形成支援事業 (継続事業)企業立地奨励措置、中小企業融資制度、産業を担う人材の育成 4 身近な暮らしの中から自然と地球を考える社会づくり  豊かな水や緑に恵まれた自然環境をもつ本市には、それらを守り、次の世代に引き継ぐ責務があります。身近な環境を守ることが地球環境の保全につながることを認識し、私たちの暮らしの中で、今できることから着実に進められる社会づくりに取り組んでいきます。 地球温暖化対策 (継続事業)地域協議会の設立や条例の制定など市民・事業者等との協働による取り組み (新規事業)メガソーラー(大規模太陽光発電設備)の導入に向けた取り組み (継続事業)再生可能エネルギー等利用設備の普及促進 (継続事業)次世代クリーンエネルギー自動車の普及促進 環境の保全 (継続事業)(仮称)環境影響評価条例の制定に向けた調査 (継続事業)小松・城北地域における里地里山の保全活動団体への支援 (継続事業)相模川ふれあい科学館の再整備 ごみの減量化・資源化の取り組み (新規事業)一般廃棄物処理基本計画の改定 (継続事業)ごみの減量化・資源化のさらなる普及に向けた啓発(ごみDE71(でない)大作戦) (新規事業)津久井クリーンセンターし尿処理施設の建て替え整備 5 市民が主役の郷土づくり  地域の個性や市民の活力が真に生かされる地域社会を実現するため、まちづくりの主役である市民や事業者等が、主体的にまちづくりに取り組むことができる環境づくりを進めていきます。また、生きがいをもって心豊かに生活できる地域づくりや、誇りとすることができる郷土づくりを進めていきます。 市民協働と市民自治に根ざしたまちづくり (継続事業)区民会議の運営 (継続事業)まちづくり会議の運営支援 (継続事業)市民協働推進条例に基づく取り組み (継続事業)市民・大学交流センターの整備 (継続事業)NPO設立等の認証事務や、設立の相談から活動促進までの一体的な支援 (継続事業)高齢者の地域活動促進 (新規事業)(仮称)自治基本条例の制定に向けたシンポジウムの開催 心豊かに生活できる地域づくり (継続事業)アートラボはしもと、城山文化ホールの運営 (継続事業)市民平和のつどいの開催 (継続事業)国際交流ラウンジ事業、国際交流事業 (継続事業)相模原麻溝公園(仮称)第2競技場の整備 (継続事業)横山公園陸上競技場の再活用 (新規事業)ホームタウンチーム支援の仕組みの構築 シティセールスの取り組み (継続事業)「宇宙」と「桜」をキーワードとしたブランドイメージづくりの先行事業 ---------- 「変える(Change)」・「創る(Create)」・「挑戦する(Challenge)」 “3つのC”を推進  市民福祉の向上が市の最大の使命であることを第一とし、それを実現するために簡素で効率的な行政運営の追求、政策形成能力と実行力の向上とともに、市民感覚を持って、心の通った行政サービスに取り組んでいきます。 持続可能な都市経営の推進 (継続事業)「都市経営ビジョン」の見直し (新規事業)公共施設マネジメント取組方針の推進 (新規事業)橋りょうの長寿命化修繕計画に基づく点検・修繕 (継続事業)債権の管理に関する条例に基づく取り組み (継続事業)PDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルに基づく事務事業の改善 (継続事業)新たな大都市制度の検討  市民の利便性向上 (継続事業)パスポートの申請受理・発行窓口の開設準備 (継続事業)(仮称)緑区合同庁舎の整備 人材育成 (継続事業)人材育成方針に基づく職員のスキルアップ・意識改革 ---------- 予算  本市の財政は法人市民税の減収や固定資産税の評価替えなどにより、歳入の根幹をなす税収が減少する一方で、医療や生活保護をはじめとする扶助費などの義務的経費が増加を続けており、さらなる財政の硬直化が見込まれています。  平成24年度当初予算案は、こうした厳しい財政状況にあっても、あらゆる事務事業を精査しながら、暮らしの向上や都市の発展に向けて、市総合計画の前期実施計画の着実な推進に重点を置いた編成を行いました。 一般会計 予算案2,483億円 前年度比6.2%増 ※平成23年度当初予算(一般会計)は骨格予算で編成。肉付け予算等を含めた実質的な当初予算相当額との比較では1.1%増。 特別会計 予算案1,765億円 前年度比6.5%増 合計 予算案4,248億円 前年度比6.3%増 ---------- (むすびに)  わが国は改革の時期を迎えています。  激動する社会経済情勢のもと、時には忍耐や思いやりが試されながらも、さまざまな仕組みや価値観を変えていくことが求められています。  この混迷の時代を乗り越え、次代につなぐ明るい未来を拓(ひら)いていくための主人公は、私たち一人ひとりにほかなりません。  私たちは、「弱い立場の人を皆で助け、学ぶ人や働く人が夢と希望を持てる」そんな当たり前の地域社会をつくるために、わが身にとどまらず、広く社会にも目を向け、ともに考え、行動していく必要があります。  そこから生まれる絆こそが、輝きあふれる夢に向かって、新たな道標(みちしるべ)になるものと、私は確信しております。  私は、市民の皆さまの思いと力を支えとして、引き続き、ふるさと相模原の創造に向け、情熱を持って取り組むとともに、いかなる困難な課題にも挑戦してまいる所存であります。  市民の皆さまの市政に対するご理解と一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。 お問い合わせ 企画政策課 電話042−769−8203