ギャラリースタッフセレクション1 吉野 涼子(よしの りょうこ)展
この展覧会は、各ギャラリースタッフが注目する若手作家を、毎回厳選し紹介していくシリーズ展です。
平成15年7月17日(木曜日)から8月31日(日曜日)まで
「美しい混乱」(出品作品)
- 2001年、キャンバスに油彩・色鉛筆・鉛筆、72.5センチメートル×60.5センチメートル
プロフィール
吉野涼子 Ryoko Yoshono
個展
- 1999年
ギャラリー銀座フォレスト(東京) - 2000年
ギャラリー銀座フォレスト(東京) - 2003年
「伊」食堂Tavola(東京)
グループ展等
- 2000年
フィリップモリスアートアワード2000最終審査展(恵比須ガーデンプレイス、東京)
女子美術大学院グループ展(ギャラリー青羅、東京) - 2001年
第6回昭和シェル石油現代美術賞 入選(目黒区美術館/東京・堺市立文化館、大阪)
女子美術大学院グループ展(ギャラリー青羅、東京)
3人展(ギャラリーイセヨシ、東京) - 2002年
アートスカラシップ2001現代美術賞優秀賞・入選作家展
(本江邦夫審査員部門入選)exhibit LIVE
第7回「風の芸術展」トリエンナーレまくらざき入選(枕崎市文化資料センター、鹿児島)
JOSHIBI NEW WAVE PART.2「A SPONTANEOUS STYLE-自発性」(女子美アートミュージアム、神奈川) - 2003年
関口芸術基金賞 優秀賞・全国公募入選作家展(柏市民ギャラリー、千葉)
解説
花坂陽朗(はなさか たかあき)
吉野涼子は、軽やかでやわらかな色彩の中に、どことなく鋭角的な線を走らせていく。そこには、疾走とは逆の削りだしていくような重さをも感じる二重三重の線が含まれている。それは、彼女の生きてきた人生、いや我々にとっても、これまでの、そしてこれからの様々な事柄や可能性において必ず抱くであろう迷いや不安という心の中での葛藤を意味する。
このようなはっきりと決められないあいまいな事柄は、我々の周りには、見えない所でいくつも存在するものだ。
「あいまいさ」は、表現豊かな日本語を持ってしても、なかなか他人に伝えきれるものではない。今回展示してある、様々な切れ端に描かれた日々のドローイングにもそれはうかがうことができよう。そして、その切れ端からのびるかすかなコラージュや薄く細く引かれた線に至っては、「はかなさ」すら感じとることができる。
「なにかの為というよりは存在するから描くという方が正しい。それは日々の心の振れかただったり、
ひとりの運動の延長だったり、生きて呼吸する限り続いていくものなのだと思う。」
とは、彼女の言葉であるが、かつて、マルセルデュシャン(仏・1887年から1968年)が、「アートとは」という問いに対し、「呼吸すること。」と答えたことを思いだす。
「生きることそのものがアート」ということを前提とすれば、日々の生活の中で、感じては消えていく迷いや不安を隠すことなく「私」として堂々と描く彼女のスタイルは、現代の若者たちが抱く、不安や迷い、そして希望や自信の混在した彼等の「あいまいさ」をも象徴し、またそれを代弁しているものなのかも知れない。
相模原市民ギャラリー 美術専門員
※上記リンクは「Weblio辞書」のページを新しいウィンドウで開きます。
用語解説については、「Weblio」までお問い合わせください。