ギャラリースタッフセレクション4 小里 志郎(おざと しろう)展
この展覧会は、各ギャラリースタッフが注目する若手作家を、毎回厳選し紹介していくシリーズ展です。
平成15年11月3日(月曜日)から12月22日(月曜日)まで
「舞」(参考作品)
プロフィール
- 1976年
神奈川県生まれ - 2003年
東京造形大学研究科修了
個展・グループ展等
- 2002年
卒業制作展「ZOKEI展」(東京造形大学、東京)
2003年
さがみはらあーと03「OPENSTUDIO展」(相模原市民ギャラリー、神奈川)
解説
- 「色彩もフォルムである。芸術家は絵の中に世界をみ、色彩画家は色の中に世界をみる。」
クルト・クーゼンベルク(1904年から1983年、ドイツ文学作家)
花坂陽朗 (はなさか たかあき)
光を刺激として生ずる感覚の一種である「色彩」には、色相・明度・彩度という3つの属性がある。その内の「色相」は、色調、色合ともいわれ、光学的に波長の順に配列すると赤・橙・黄・青・紫の順で一巡する。ちなみに明度は明るさ、彩度は、灰色の含有量の度合いによってきまる鮮やかさである。すべての絵画は、この3属性、特に色相を微妙に組合わせることによって成立しているともいえよう。
今回ギャラリースタッフセレクション4として紹介する小里志郎は、2003年、さがみはらあーと’03「OPEN STUDIO展」(神奈川.相模原市民ギャラリー.2003.8)に参加した、STUDIO牛小屋(本市大島で運営する絵画系4名による共同アトリエ)のメンバーである。彼にとって公的企画展のデビューであった同展において、出品作家21名中、最も注目度の高かった作家でもあり、(観客アンケート調べ)これからが期待される作家のひとりである。
小里は、画面に絵具を幾重にも染みこませる独自の方法で制作し、作品を「色彩」として表現していく画家である。完成時に画面が光らないよう素材に綿布とアクリル絵具を用い、絵具本来が持つ色の鮮やかさを最大限に引き出す彼の作業は、大きな画面になればなる程、繊細さと多くの時間が必要となり非常に綿密な計画性を問われる作業となる。
その画面は、同色で均一に染められていくことはなく、下地としての様々な色相からにじみでる僅かな表情が、最後に塗られた色に大きな変化を見せていく。一見単色に塗り込められた平面に見られがちだが、画面に近付くにつれその一色は、やわらかくその表情を変え、その色に目が慣れた頃には、単色であるはず平面に様々なバリエーションに富んだ多くの色彩が目に飛び込んでくる。
我々の世界には、様々な色がちりばめられている。「光」の反射によって認識されるその様々な色は、人工、自然のいずれのモノにせよ我々の「目」が認識する限り、至るところに存在するものだ。その色のみを抽出された状態を垣間見る機会が我々に得られたとするなら、色が元来持つ様々な種類と特性を感じとることができよう。
日本には古来より数えきれない程の色種と色名があった。色のそれぞれが、互いに共鳴しあい、塗重ねていくことで微妙に変化していく小里の仕事には、我々が近年忘れかけていた、どこか日本的な色の質感をも感じとることができるのではなかろうか。
相模原市民ギャラリー 美術専門員
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