ギャラリースタッフセレクション10 中西 晴世展 イメージの泉
ギャラリースタッフセレクションはギャラリースタッフが、注目する若手作家を毎回厳選し紹介していくシリーズ展です。
平成17年6月27日(月曜日)から8月9日(火曜日)まで、午前9時から午後5時まで 水曜日休館
出品作品
展示内容
絵画と版画の2つの異なる表現方法で制作している中西晴世。今回は版画作家としての中西に注目します。
中西は、版に直接描いたイメージをプレス機を通して紙に写し取る方法(モノタイプ)によって作品を制作します。そのため、版画とはいえ、二度と同じ作品が生まれることはありません。
中西の作品のテーマは、「生命の循環です。大気や体内に流れる水のイメージを版画化し、それを展示空間全体に配置することで、一帯の作品として完成させます。異なる色彩の絵画が並ぶことで、空間全体に独特の調和が生まれ、豊かな色彩の世界が展開します。
プロフィール
- 1993年
モンセラット美術大学 卒業
個展
- 1994年
「時間と空間への試み」(大同ギャラリー、札幌) - 1995年
「Repetition of multiple images」(Free Space PRAHA、札幌) - 1997年
「水の記憶」(Oregon Moon Gallery、東京) - 2000年
「旅の途中」(ギャラリー睦、千葉) - 2005年
「Life」(GALERIE SOL、東京)
グループ展
- 1997年
クラコウ国際版画トリエンナーレ'97入選(ポーランド)
同、巡回展(Nuernberg、ドイツ・Rio de Janeiro、ブラジル) - 1998年
アジアプリントアドベンチャー'98(北海道立近代美術館、札幌) - 1999年
「Northern exposure」( I.C.A サンノゼ、 Applied Global University サンタクララ、CA. U.S.A)
韓日現代美術展 (釜山、韓国) - 2000年
「Pacific Rim Art Now 2000」(小樽市美術館、小樽)
タイ・ベトナム・日本現代美術交流展(船橋市民ギャラリー、船橋)
Montserrat 30thAnniversary Exhibition(MA, USA )
ハーバード大学付属美術館
Fogg Art Museum キュレーター Linda Nordon - 2001年
サンフランシスコ・ふなばし現代美術交流展「What's your story?」(船橋市民ギャラリー、船橋)
2人展 「絵画という痕跡」(ギャラリーArt Space、東京) - 2002年
日本現代美術展Panorama d'arts contemporains japonais(Palais de bondy ボンディー館、リヨン、フランス) - 2003年
Facon Japon 2003('01)(リヨン、フランス) - 2004年
「Pacific Rim Art Now2004 Japan-U.S」(Works Gallery、サンノゼ、CA, U.S.A) - 2005年
アートカクテル2005('03)(山脇ギャラリー、東京) - 2006年
アートカクテル2006in笠間(笠間市)
解説
モノタイプについて
中西 晴世
モノタイプに出会ったのは、今から10数年前、アメリカの美大での最初の版画の授業のことである。腐食や製版、彫る、削るなどの版を作る過程がないという容易さの一方、自らの意図する表現にコントロールし近づけることの難しさを同時に味わった。以来、この技法の魅力に惹かれ表現方法のひとつとして、制作に取り入れてきた。モノタイプという版画技法は、日本では一般的にはあまり知られておらず、御覧いただいている皆さんには聞き慣れない言葉であるかもしれない。そこで、モノタイプという版画方法について、説明したい。
私の場合は、下書きなどせずに直接版上に色を重ね一気に描き描画を完成させていく。表現したいイメージを心に描きながら、イメージに合わせて色を作り、塗り重ね、線、形なので描いていく。このように即興的な方法でイメージを表現すると、制作しているその日、その時の自分の気持や状況が作品に映しだされる。色彩をのせて重ねる作業を続けていると、いつのまにか無心になっていることに気がつくことがある。どこか瞑想にも似ている。時には、普段は気づくことのなかった無意識の中に眠る「何か」までが引き出されるようにも思う。このようにして描いた版を版画プレス機に通す。刷り終えた作品を版からそっと剥がし終える瞬間に期待と緊張がはしる。刷り直しは利かない。ただ、一度限りの刷りでの勝負である。
プレス機で刷るという過程で、当初は予測出来なかった思わぬ「効果」が生まれるのだ。自らの手技に、他の力が加わり、意図する方向にコントロール出来ない不確実なもどかしさは、同時に偶然性や意外性が付加されて造られる表現の面白さであり、私にとって魅力となっている。
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