広報さがみはら No.1356 平成29年(2017年)3月1日号 6面 ---------- 薬物乱用は、『ダメ。ゼッタイ。』 その「1回だけ」が、あなたの未来を奪う!!  危険ドラッグが原因の事件や事故、有名人による薬物使用など、薬物汚染は大きな社会問題となっています。  薬物の乱用は、精神的・身体的に取り返しのつかない傷を受け、家族や友人にも計り知れない影響を与えてしまいます。薬物に「手を出さない」という毅然(きぜん)とした態度を持つことが大切です。  万が一薬物を使用してしまい、やめたくてもやめられない、どうしたらよいか分からない、といった悩みや不安を抱えている人やその家族は、市の相談窓口などを活用してください。 違法薬物の危険性「依存症」薬の専門家の立場から 市薬剤師会 副会長 山下さん 薬物乱用に共通する危険は「依存症」になることです   現在、私たちの周りで問題になっている違法薬物には麻薬、覚醒剤、大麻、危険ドラッグなどがあります。個々の薬物の有毒性も問題ですが、これらの薬物には依存性があり、一度でも使用すると「依存症」になる危険があります。  特に覚醒剤は毎年検挙される人数が1万人以上で、そのうち約65%が再犯者であることから、薬物乱用の原因が「依存症」であることは明らかです。 違法薬物に関わらないために  薬物の「依存症」は、薬物が脳に「偽りの快感」を与えることにより、薬物の使用を渇望するようになり、最後には薬物を得るために人生を台無しにしてしまいます。一度「依存症」になると治療には長い時間がかかり、元の生活を取り戻すのはとても難しくなります。薬物に関わらない生活を送るためには、絶対に「怪しい場所」「怪しい人」「怪しい薬物」に近づかないことが大切です。 薬物依存には精神依存と身体依存、2つの悪循環があります。 薬物依存症体験談 覚醒剤依存症のAさんの場合 Q1どのようなきっかけで使い始めたのですか?  友人が自宅に覚醒剤を持ってきました。好奇心が強かったので、ガラスパイプに入れた覚醒剤をあぶって吸引しました。当時はそれを「エス」と呼び、覚醒剤という自覚はありませんでした。 Q2なぜ繰り返し使うようになったのですか?  気分転換や楽しくなるためです。家族関係のトラブルがあったときなどに使うようになっていきました。 Q3やめたい気持ちはありましたか?  ありました。自力で薬物をやめようと思って行動にも移しましたが、結局やめられず、解決策がありませんでした。 Q4どのようなきっかけで回復につながったのですか?  家族と弁護士の紹介でダルク(依存症回復支援施設)に入寮したことがきっかけです。それまでは家族も私自身もどうにもできず、困り果てていました。 Q5家族との関わり方で回復するために役立ったことはありますか?  家族から注意され、怒鳴られるとストレスになり、余計に使いたくなりました。注意されるより、心配していることを伝えられる方が心に響いて、素直にやめた方がいいという気持ちになりました。 Q6今はどのように過ごしていますか?  同じ依存症の問題を持つ仲間と、規則正しい生活を送っています。ミーティング、エイサー太鼓の練習など、さまざまなプログラムがあります。今は薬物を使わずに落ち着いた生活が送れています。 Q7薬物について今はどのように考えていますか?  二度と使いたくないと思っています。依存症の仲間と関わりを持ちながら、順調に回復が進み、残りの人生は薬物無しで過ごせると思いますが、不安はあります。今後も仲間と共に回復に向けて取り組んでいきたいと思っています。 市や関連団体による活動 啓発活動や再乱用防止に取り組んでいます 薬物乱用防止啓発ポスター作成  女子美術大学と連携して学生目線での啓発を呼び掛ける薬物乱用防止ポスターを作成。市内小・中学校や公民館、図書館などで掲示しました。 市薬剤師会との協働事業  健康フェスタにて、キャラバンカーと「ダメ。ゼッタイ。子ちゃん」による啓発活動や「キッズ調剤体験」を行いました。 薬物再乱用防止プログラム「FLOW」、アルコール・薬物家族教室  「FLOW」では毎週金曜日にテキストを使用したグループワークを行っています。 県薬物乱用防止指導員協議会 相模原支部  薬物の恐ろしさを直接市民に訴えるために、啓発リーフレットの配布や、高校などで開催される薬物乱用防止教室へ講師を派遣しています。 相模原ダルク  覚醒剤・大麻などの薬物や、アルコール・ギャンブルへの依存によって社会生活がままならなくなってしまった人たちが、各種プログラムを通じて回復や社会復帰をするための支援施設です。 問い合わせ 電話042−707−0391(月曜日から金曜日 午前9時30分から午後4時30分 土曜日 午前9時30分から正午) 問い合わせ 薬物乱用防止について 医事薬事課 電話042−769−8343 薬物依存について 精神保健福祉センター 電話042−769−9818