広報さがみはら No.1305 平成27年(2015年)1月15日号 6面 ---------- 災害時に地域で支え合っていくために 災害時要援護者の避難支援体制づくりを進めましょう  近年の大規模災害では、犠牲者の多くが高齢者や障害者など迅速に避難行動をとることが困難な人(災害時要援護者)だったことが分かっています。また、災害の状況によっては行政が十分に対応できないことも想定されます。  このため、日頃から、自らが災害に備えるとともに、自治会などを中心とした近隣の助け合いが重要です。現在、各地区では地域特性に応じたさまざまな取り組みが進められています。今回は3地区における災害時要援護者支援の取り組みを紹介します。 “近助”の力で安心をつくる 緑区 上町自治会 取り組みのポイント 区域内を17ブロックに分割  災害が発生した場合には、各ブロックのブロック長2人が、災害時要援護者の安否を確認後、一時避難場所へ集合し、必要に応じて他の集合者と協力して救出救護を行う体制を整えています。 ブロック長が担当区域を把握するために、分かりやすく色分けしたブロック図 地区内全世帯の名簿を独自に作成  災害時要援護者だけではなく住民全員を対象に、家族構成などの情報が入った名簿を作成しています。 上町自治会会長 森久保さん 「みんながみんなを支援する」という意識が高く、共助ではなく“近助”でやっています。要援護者に対して笛や防犯ベルの配布、井戸の場所を示した防災マップの作成の検討など、さらなる充実を図りたいと思います。 スタートは地域の有志から 中央区 共和南町自治会 取り組みのポイント 地域に詳しいメンバーでワーキンググループ  自治会本部役員、民生委員、避難所運営協議会委員などで、ワーキンググループを設立し、災害時要援護者の支援について、定期的に検討を進めました。 行動手順をチラシで回覧  自治会役員や民生委員などが連携して、災害時要援護者を訪問し、本人の希望を確認しながら、避難支援者を集めました。  また、避難支援行動について理解を深めるため、避難支援者向けに地域オリジナルの具体的な行動手順のチラシを作成し、周知しました。 避難支援者の主な行動手順 1避難支援者本人と家族の安全を確保 2担当する災害時要援護者の安否確認 3本部に連絡し、協力して救出・避難支援 共和南町自治会会長 林さん  今後は取り組みを継続していくことが重要であると思います。  これからも訓練をはじめ、常日頃から地域内でのあいさつや声掛けなど、顔の見える関係づくりを大事にしていきたいと思います。 住民の安全と安心を第一に 南区 勝坂上自治会 取り組みのポイント 避難支援者向けに勉強会を開催  避難支援者を集めて、個人情報の取り扱いや、避難支援者の役割について学ぶとともに、避難支援者同士の意見交換を行いました。 災害時要援護者も参加した避難支援訓練を実施  災害発生時を想定し、情報伝達訓練や、実際に災害時要援護者も参加しての車いすによる避難誘導訓練を実施しています。 勝坂自治会連合会会長 穂苅(ほかり)さん  避難支援体制を作るにあたっては、地域の実情はさまざまなので決まりはありません。不安などもありますが、日頃の見守り・声掛けを基本に、活動を進めながら問題を解決していく姿勢で臨んでいます。 身近な地域での「支え合い」による取り組みに皆さんのご理解とご協力をお願いします。 ---------- 災害時要援護者避難支援事業  各地域で災害時要援護者の所在把握や避難支援の体制づくりを進める中で、地域内の災害時要援護者の所在が分からない場合などに、市が本人の同意を得た上で、災害時要援護者の情報を自治会などの支援組織に提供します。 ※災害時要援護者の情報(同意者名簿)の提供には、自治会などの支援組織と市との間で、「事業実施に関する協定」の締結が必要です。 仕組み 市と自治会などの支援組織 1事業実施に関する協定を締結 市が災害時要援護者に 2意向の確認 災害時要援護者が市に 3同意 市が自治会などの支援組織に 4同意者情報を提供(同意者名簿) 災害時要援護者が自治会などの支援組織に 5調査などへの協力 自治会などの支援組織が災害時要援護者に 6災害時の支援活動・安否確認・避難支援 ※災害時要援護者=70歳以上の高齢者のみの世帯の人、介護保険要介護度3以上の人、身体障害者手帳1級か2級を持っている人、療育手帳A1かA2を持っている人  各地域で、災害時要援護者の所在把握や避難支援の体制づくりを進める際の参考として、「災害時要援護者避難支援ガイドライン」を策定しています。詳しくは市ホームページをご覧ください。 自治会が中心となって行う防災活動に進んで参加するなど、日頃から地域ぐるみで十分な備えをしましょう。 問い合わせ 地域福祉課 電話042−769−9222