広報さがみはら NO.1260 平成25年(2013年)3月1日号 2・3面 ---------- 平成25年度 施政方針の大要  1nに続き、市長施政方針を抜粋して掲載します。  全文は、各行政資料コーナーと市ホームページの 市長のページ でご覧になれます。 ※主要施策や予算のあらましは本紙4月1日号でお知らせします。 重要な3つの視点 防災・減災対策の推進  未曽有の大災害である東日本大震災から間もなく2年が経とうとしております。被災地におきましては、いまだ、その爪跡が数多く残っておりますが、同時に、着実に復興に向けて歩み続けております。  私自身、被災地を訪れましたが、多くの家が流され、道もない、その甚大な被害を目の当たりにし、復興への道のりが長く険しいものになることを感じざるを得ませんでした。  この大震災の教訓を生かし、防災対策、そして、あらゆる災害時の被害を最小限に抑える減災対策を早急に進める必要があります。  市民の皆さまの大切な命・財産を守るために、防災・減災対策はスピード感を持って集中的に実施していきます。  また、今後も、銀河連邦の一員である大船渡市をはじめ、被災地に対しまして息の長い支援を続け、復興へ向けた後押しをしていきます。 次代につなぐまちづくり  少子高齢化に伴う、人口・労働力の減少や国内需要の低下が懸念される中、これ以上、将来世代に負担を先送りすることは許されません。  私たち現役世代が果たすべき役割は、先人たちが築き上げた誇り高きわが国、ふるさとをさらに発展させ、次代を担う子どもや若者たちに夢や希望とともにバトンをつなぐことではないでしょうか。  このような考えのもと、本市では、これまで先人たちが先見の明を持って取り組んでこられた事業を着実に推し進めてきました。  今後も、本年3月に相模大野駅西側地区の再開発ビルが開業を迎えるほか、さがみ縦貫道路インターチェンジの開設やインターチェンジ周辺の産業を中心とした新たな拠点づくり、市内設置が決定しているリニア中央新幹線駅周辺のまちづくり、そして、相模総合補給廠(しょう)一部返還予定地等のまちづくりなど、大規模な事業が集中しており、首都圏南西部をリードする広域交流拠点都市として大きく飛躍しようとしております。  これらの事業を着実に推進し、本市のポテンシャルを高め、防災をはじめ、福祉や医療、教育の拡充、産業集積や雇用創出、環境保全など幅広い分野で、市民サービスの向上を図っていきます。  さらに、持続可能な都市経営を支える強固な財政基盤を確立するため、都市としての戦略を明確にしながら「人や企業に選ばれる都市づくり」を着実に進め、潤いのある相模原を創造していきます。 地方分権改革の推進  国はこれまでさまざまな地方分権改革の取り組みを進めてきましたが、国や県からの権限・財源の移譲や関与等の見直しは一部にとどまるなど、依然としてその内容は不十分であると言わざるを得ません。  このため、私は地方行政を預かる者の一人として、さまざまな場面でさらなる改革の推進を訴えてきました。  明治以来の中央集権システムを見直し、国は国家として取り組むべき最重要政策に持てる力を集中するとともに、地方は地域の独自性を生かしながら、国家の成長を牽引(けんいん)する都市づくりを進め、市民福祉の向上のためのあらゆる施策を講ずることが、この国を再生させ、明るい未来をもたらすために必要なことであります。  今後も、国に対し、地方分権改革の一層の推進を求めるとともに、72万市民の英知を結集しながら、地域が自らの責任と自らの財源で、主体的に施策を展開できる真の分権型社会の構築をめざし、市民主体のまちづくりを力強く進めていきます。 市政運営の5つの柱と主な取り組み ●新規事業 ○継続事業 1 安全で安心して暮らせるまちづくり  防災、防犯、福祉や医療など、安全・安心の確保につながる取り組みは、あらゆる政策の基本となるものです。社会情勢の変化に的確に対応しながら、地域の連携や支え合いを基本として、誰もが安全・安心を実感できる地域社会の実現をめざしていきます。 防災対策 ○防災アセスメント調査に基づく地域防災計画の見直し ●防災スクールの創設や自主防災組織への小型消防ポンプ配備などを中心としたさがみはら防災・減災プログラムの推進 ●(仮称)防災条例の制定 ○老朽化した施設への対応などインフラの安全対策 暮らしにおける安全・安心の確保 ●空き家対策 ●通学路の安全対策 ○津久井消防署藤野分署の開署 ○北消防署相原分署の整備 ●大野台地区消防団詰所整備 ○高度救急救命が実施可能な救命士の養成(救急高度化推進事業) 生活環境の向上 ●住まいのエコ・バリアフリー改修費補助事業 高齢者福祉の向上 ○特別養護老人ホームの整備促進 ○地域包括支援センターの機能強化と圏域の見直し 障害者福祉の充実 ●精神障害者地域活動支援センターの開設 ●福祉型児童発達支援センターの整備促進 医療体制の拡充 ●総合医の育成による地域医療体制の基盤づくり ●胃がん検診への内視鏡検査の導入 ●高齢者肺炎球菌予防接種助成事業 ○北メディカルセンターの開所 基地対策 ○早期利用・返還に向けた取り組み、騒音などの課題解消に向けた要望活動 2 夢と希望あふれる次世代をはぐくむ環境づくり  これからの社会を生きる子どもたちを、社会全体で支えていくことは、私たちの重大な責務です。安心して子どもを育てられる環境づくりを進めるとともに、子どもたちがさまざまな経験を通して自己を見つめ、将来の夢を抱きながらいきいきと成長していくことができるよう、豊かな心と生きる力をはぐくんでいきます。 生きる力をはぐくむ学校教育の推進 ○いじめ問題への対応 ○特別支援教育推進事業 ○(仮称)上溝学校給食センター新築工事 ○さがみ風っ子教師塾の運営 子育てを支える環境づくり ○認可保育所の整備促進 ○認定保育室への補助、家庭的保育事業の実施 3 にぎわいと活力に満ちた都市づくり  将来にわたって圏域全体の持続的な成長を可能とする広域交流拠点を形成するとともに、産業を中心とした新たな拠点や中心市街地におけるにぎわいづくりに取り組み、都市機能の充実を図っていきます。 都市機能の向上、交通ネットワークの充実 ○広域交流拠点検討事業 ○リニア中央新幹線の建設促進 ○小田急多摩線の延伸に向けた取り組み ○さがみ縦貫道路の整備促進 ○津久井広域道路、県道52号(相模原町田)など、広域幹線道路の整備 ○都市計画道路の整備 ○新しい交通システム導入に向けた検討 ○バスターミナルの整備(田名地区) にぎわいのある中心市街地づくり ○相模総合補給廠(しょう)の一部返還・共同使用区域の活用に向けた基本計画策定 ○小田急相模原駅北口B地区市街地再開発事業の促進 産業を中心とした新たな拠点づくり ○当麻地区土地区画整理事業の促進 ○川尻大島界地区土地区画整理事業の促進 ○麻溝台・新磯野地区整備事業の推進  ○金原地区等の新たな産業系土地利用に向けた調査検討、金原準工西側地区への企業誘致 地域経済の活性化 ●(仮称)相模原市総合就職支援センターの開設 ○産・学・官の連携促進 ●BCP(業務継続計画)の策定支援 にぎわいと活力を創出する商業・観光の振興 ○商店街等のにぎわいづくりの支援 ●観光振興計画の改定 ○観光協会助成事業 ●農産物直売所開設促進事業 4 自然の尊さ・恵みを感じ将来の地球環境を守る社会づくり  本市が有する山や湖などの美しい自然環境は、先人から受け継いだかけがえのない財産であり、次世代へ確実に継承していかなければなりません。私たち一人ひとりが地球に生きる一員としての自覚を持って、環境負荷の低減や自然環境の保全を図っていきます。 地球温暖化対策 ●省エネルギー設備等の導入に対する助成 ●さがみはら地球温暖化対策協議会の活動支援 ○メガソーラー(大規模太陽光発電施設)の設置 自然環境の保全 ○(仮称)環境影響評価条例の制定 ○(仮称)市民の森の整備 ○相模川ふれあい科学館の再整備 ごみの減量化・資源化の取り組み ●使用済み小型家電リサイクル事業 5 市民本位・市民参加の郷土づくり  地域の個性や市民の活力が真に生かされる地域社会を実現するため、まちづくりの主役である市民や事業者等が、自らの役割や責務を自覚し、主体的にまちづくりに取り組むことができる環境づくりを進めていきます。また、さまざまなライフステージで生きがいを持って心豊かに生活できる地域づくりや、誇りや愛着が持てるような郷土づくりを進めていきます。 市民協働と市民自治に根ざしたまちづくり ○区民会議の運営 ○まちづくり会議の運営支援 ●区役所の在り方の検討 ●市民協働推進基本計画の策定 ○自治会の加入促進 ○NPO設立等の認証事務や、設立の相談から活動促進までの一体的な支援 ●市民・大学交流センターを拠点とした地域活性化等 心豊かに生活できる地域づくり ●相模原麻溝公園(仮称)第2競技場の整備 ●横山公園陸上競技場の再活用 ○ホームタウンチーム・トップアスリート支援 ●(仮称)2013年全日本学生水上スキー連盟チャンピオンシリーズ相模原大会開催に向けた支援 誇りとすることができる郷土づくり ●小原宿本陣の保存整備に向けた取り組み ○シティセールスの推進 ---------- 「変える(Change)」・「創る(Create)」・「挑戦する(Challenge)」“3つのC”を推進する  極めて厳しい財政環境を職員一人ひとりが改めて認識し、限られた財源の中で、市民福祉を向上させるための効果的な施策を推進するため、積極的な歳入確保と徹底した事務事業の精査・効率化などに取り組むとともに、常に現場を意識し、市民目線に立った行政サービスを提供していきます。 持続可能な都市経営の推進 ●(仮称)都市経営指針・実行計画の策定・推進 ○(仮称)公共施設の保全・利活用基本指針の策定 ○橋りょうの長寿命化修繕計画に基づく点検・修繕 ○人件費の削減に向けた取り組み ○債権回収対策 開かれた市政の実現に向けた取り組み ○公文書館機能の構築 ●「市民の声」受け付け・回答機能拡充事業 行政運営 ○総合計画等の着実な推進 ○大都市制度の検討 予算  本市の財政は、市税収入に若干の増加が見込まれる一方で、医療費や生活保護費をはじめとする扶助費などの義務的経費が増加を続けており、今後も厳しい財政運営を強いられることが見込まれます。  平成25年度予算案は、こうした厳しい財政状況にあっても、あらゆる事務事業を精査しながら、暮らしの向上や都市の発展に向けて、市総合計画の前期実施計画の着実な推進に重点を置くとともに、国の15か月予算などを踏まえ、予算編成を行いました。 一般会計 予算案 2,445億円 前年度比 1.5%減 特別会計 予算案 1,657億円 前年度比 6.1%減 公営企業会計 予算案 266億円 前年度比 新たに設置 合計 予算案 4,368億円 前年度比 2.8%増 ※国の大型補正予算を受け一体的に編成した平成24年度3月補正予算との合計(一般会計)では、2,559億円、前年度比3.1%増となっています。 (むすびに)  わが国は今、激動する社会情勢の中、混迷の一途をたどりつつあります。  しかし、この状況を悲観的に捉えるのではなく、この国を新しい形に再生し、元気で活力ある日本を取り戻すために、国と地方の関係を改め、地方が元気になる改革を行い、国家として進むべき針路を指し示していかなければなりません。  今、私たちがなすべきことは、日本人が古(いにしえ)より大切に築き上げてきた、人と人とのつながりの力を遺憾なく発揮し、皆が力を合わせて新しい時代を切り拓(ひら)くことです。  このため私は、市民の皆さまの声や思いを胸に刻み、市政を推進する上での車の両輪となる市議会の皆さまと共に、引き続き活発で真摯(しんし)な議論を交わすとともに、他都市との連携をより一層深めながら、ふるさと相模原の発展に向けて渾身(こんしん)の力を振り絞ってまいります。  市民の皆さまの市政に対するご理解と一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。 お問い合わせ 企画政策課 電話042−769−8203