広報さがみはら NO.1257 平成25年(2013年)1月15日号 6・7面 ---------- 給食今昔物語 〜進化する給食〜  子どもたちが毎日食べている学校給食。学校での思い出の一つとして給食が心に残っている人も多いのではないでしょうか。  1月24日〜30日は「全国学校給食週間」です。小・中学校の9年間は、子どもたちにとって、体も心も育つ大切なとき。生活習慣病予防の観点からもこの時期の食生活・食習慣がその後に大きく影響すると言われています。しっかりと食べて健康な体を作るため、妥協はできません。本市では昭和31年から学校給食を開始し、現在では、全ての市立小・中学校109校で実施しています。子どもたちに安全でおいしい給食を提供するため、「こだわり」のある学校給食に取り組んでいます。 お問い合わせ 学校保健課 電話042−769−8283 本市の学校給食のあゆみ  皆さんの給食の思い出は何ですか。脱脂粉乳、先割れスプーン、アルミの食器など、いろいろな思い出があるのではないでしょうか。  学校給食は、時代とともにどんどん進化しています。本市ではどのように変わってきたのでしょうか。 昭和30年代 31年 大野第二小学校(現在の淵野辺小学校)で市内初の学校給食を開始 35年 市内小・中学校で脱脂粉乳によるミルク給食を開始 36年 淵野辺小学校が学校給食優良校として文部大臣賞を受賞 この頃の給食 献立 コッペパン 脱脂粉乳 鯨肉の竜田揚げ キャベツの千切り 給食実施のために大相撲!? 11年間奔走した校長先生の熱い想い  本市の学校給食は、第二次世界大戦後11年が経った現淵野辺小学校で始まりました。終戦後、食糧が十分でない時代、昼食の時間に食べるものがなく、じっと我慢する子どもたちの姿を見た校長先生の「何としてでも、どの子どもにも同じものを食べさせたい。きちんとした食事を取らせたい」という想いからでした。これを実現するためには学校給食しかないと考えた校長先生は、約9年間、国などを相手に奔走しましたが、実現しませんでした。このままでは何年かかるか分からない、と考えた校長先生はなんと「大相撲を呼んで資金を捻出しよう」という前代未聞の決断をしました。  開催まで、いくつもの難題を乗り越え何とか実現させ、想定の2倍以上の資金が集まりました。後日、そのお金を市に全額寄付し、昭和31年6月、完全給食が実施されました。校長先生は、おいしそうに給食を食べる子どもたちの姿を、目に涙を浮かべ見ていたそうです。給食実施のために奔走し始めてから11年。校長先生の熱い想いが給食の実施を実現させました。 昭和40年代 40年 市内全小学校で給食を開始(当時16校) 45年 南部学校給食センターを開設。脱脂粉乳から牛乳に切り替わる 48年 清新学校給食センターを開設 この頃の給食 献立 小型パン 牛乳 スパゲティミートソース 菜の花あえ 蜂蜜 昭和50年代 51年 市内全中学校でミルク給食を開始(当時15校) 52年 先割れスプーンを廃止しスプーン・フォークの併用を開始 53年 くぬぎ台小学校に市内初のランチルームを開設 54年 津久井学校給食センターを開設 この頃の給食 献立 コッペパン 牛乳 親子煮 煮浸し ミカン マーガリン 昭和60年代 60年 箸の使用を開始 この頃の給食 献立 ロールパン 牛乳 酢豚 パイナップル 平成〜 元年 米飯給食を全校で実施 8年 現在の城山学校給食センターを開設^n全国的な腸管出血性大腸菌O157による食中毒発生を機に、9月から非加熱の献立を廃止 22年 市立中学校のうち南部15校で「デリバリー方式」による給食を開始 23年 全市立中学校で給食を開始 現在の給食 献立 ツナピラフ 乳酸菌飲料 ミネストローネ タンドリーチキン ゆでブロッコリー ぶどうゼリー 潤水都市ランチ なつかしの味 給食プレート  現在の給食メニューをアレンジした給食プレートが市役所食堂に登場。懐かしい給食を味わってみませんか。 日にち 3月1日(金曜日) 時間 午前11時から 会場 市役所本館6階食堂 ※限定100食。売り切れ次第終了 どんどん進化中 さがみはらのこだわり給食  学校給食には健康の増進だけでなく、「食育の推進」という役割も求められています。本市では食育の生きた教材となる給食を「地産地消」や「手作り」をはじめ、学校専属の栄養士がそれぞれの学校の実態に合わせて献立を作成するなどのこだわりを持って作っています。また、市の栄養士が献立を作り、調理・配送を委託しているデリバリー方式の中学校給食も「地産地消」や「手作り」などのこだわりが詰まっています。 新鮮な野菜のおいしさを こだわり@ 地産地消  国内の食材を中心に、市内・県内産の野菜を給食に取り入れ、地産地消に積極的に取り組んでいます。使用している市内産の食材は、小松菜や大根などを始め、特産品のさがみ長寿芋、サガミグリーン、ブルーベリー、津久井在来大豆などがあります。また、地粉のパンや津久井在来大豆のみそを使っている学校もあります。地元の生産者と契約して、野菜を届けてもらっている学校もあり、新鮮な野菜を使ったおいしい給食を子どもたちに提供しています。 ルウから作ってます こだわりA 手作り  味覚が敏感な時期だからこそ、本当の味を知ってほしい。本市の学校給食は、「食品添加物や化学調味料はできるだけ使わない」というこだわりを持っています。  スープは鶏ガラから、だしは削り節や煮干し、昆布からとります。シチューやカレーもルウから作ります。「手作業」にもこだわり、調理員が一つひとつ心を込めて作ったコロッケや餃子(ギョーザ)、ハンバーグなどのメニューは、どれも子どもたちに「おいしい」と人気です。 市立大野小学校の5年生に聞きました 給食は学校の楽しみのひとつ 5年1組 河野美波さん  給食はいろいろなメニューがあって、調理の仕方も工夫されているから、苦手なピーマンも食べられます。 5年2組 眞崎奏大さん  友達と一緒に食べるのが毎日楽しみです。給食で食べておいしかった献立をお母さんに作ってもらうこともあります。 5年3組 宮崎恭輔さん  違う学年の子と一緒にランチルームで食べる交流給食のときに、栄養士さんがその日の献立の話などをしてくれるのが楽しみです。 5年4組 新田 葵さん  家では出ないようなメニューもあって、すごく楽しみです。おいしい給食が大好きです。 体にも心にもいい給食 若松小学校栄養職員 河野千絵さん  「食育」の教材にもなる給食。学校に給食室が併設しているので、子どもたちがグリーンピースのさやむきやとうもろこしの皮むきをし、その日の給食で提供することで、野菜に親しんでもらう体験授業などを行っています。また、給食の時間の様子や毎日の残量調査などから、味付けや調理方法の工夫をするなど、本校ならではの給食作りをしています。 子どもたちが楽しみになるような給食を 清新学校給食センター栄養教諭 戸田千鶴さん  給食センターでは、1日約2,300人分の給食を作っています。量が多いからといって野菜などを機械で切ったり、手間のかかる献立を避けたりはせず、できるだけ包丁で切ったり、子どもたちが喜ぶような献立を作るようにしています。ただ栄養があるだけでなく、子どもたちがおいしいと感じ、楽しみになるような給食をこれからも作っていきたいです。