1ページ 障害者差別のない町は誰もが暮らしやすい町。 みんなでとりくむ、障害者差別解消法。 みんなで考えてつくろう、差別のない共生社会。 このパンフレットは相模原市が作成しました。 わたしたちの住む町には、さまざまな人がいます。誰もが同じように学び、働き、暮らす権利を持っています。しかし、障害のある人には、社会参加をさまたげる障壁や差別があるのです。誰もがお互いの人格と個性を尊重して支え合う「共生社会」を実現するためには、そんな障壁を取り除き、障害を理由とした差別をなくすことが欠かせません。そのために望まれる配慮は、すでにいろいろなところで実践されていますが、よりいっそう広め、障害への理解を深めていくことが大切です。障害者差別のない町は、誰もが暮らしやすい町なのです。 2ページ 障害者差別解消法って、どんな法律なの? 「障害を理由とする差別」をなくすための法律です。 障害者差別解消法は、国や市区町村といった行政機関や、会社やお店などの民間事業者の、障害がある人に対する「障害を理由とする差別」をなくすための決まりごとを定めた法律です。障害のあるなしにかかわらず、誰もがお互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会をつくることを目的としています。 この法律で対象となる、障害のある人とは? 身体障害、知的障害、発達障害を含む精神障害、そのほか心身の機能の障害がある人で、障害や社会的な障壁によって日常生活や社会生活が困難になっている人です。障害者手帳をもっていない人も含まれます。 この法律で対象となる、民間事業者とは? 目的の営利・非営利、個人・法人の別を問いません。一般的な企業やお店だけでなく、たとえば個人事業者や対価を得ない無報酬の事業、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も対象となります。 障害のある人への「不当な差別的とりあつかい」と「合理的配慮の不提供」が禁止されます。 不当な差別的とりあつかいとは? 正当な理由がないのに、障害を理由としてサービスなどの提供を拒否したり、制限したり、また、障害のない人にはつけないような条件をつけたりすることです。 合理的配慮の不提供とは? 障害のある人から何らかの配慮を求める意思の表明があったにもかかわらず、負担になりすぎない範囲で、「社会的障壁」(3ページ参照)を取り除く配慮をしないことです。 なお、障害により本人が配慮を求める意思を表明することが困難な場合には、その家族、介助者、支援者などが意思の表明をすることもできます。 3ページ 合理的配慮って何 障害者から意思の表明があったら、負担になりすぎない範囲で社会的障壁を取り除くこと。合理的配慮は一人ひとりのニーズに応じた対応が必要で、工夫することで、結果的に障害者、周囲の人々双方の負担軽減になります。 合理的配慮の具体例 お店で。視覚障害の人に、レストランのメニューの内容などを店員が読み上げながら説明する。 合理的な配慮が必要な社会的障壁ってどんなこと 障害のある人にとって日常生活や社会生活を送るうえで障壁となるさまざまなもので、次のような事物、制度、慣行、観念などがあげられます。特に女性やこどもの場合は、その特性に応じた配慮も必要です。 社会における事物とは、通行、利用しにくい施設、設備などのこと。 制度とは、利用しにくい制度などのこと。 慣行とは、障害のある人の存在を意識していない慣習、文化などのこと。 観念とは、障害のある人への偏見などのこと。 社会的障壁の具体例。 1.道路の段差。3センチ程度の段差でも車いすは進めなくなります。 2.書類。難しい漢字ばかりでは、理解しづらい人もいます。 3.ホームページ。すべて画像だと、読み上げソフトが機能しません。 この法律で守らなければならないポイント。 国の行政機関・地方公共団体などでは、不当な差別的とりあつかいが禁止。また、障害者に対して合理的配慮を行わなければならない法的義務があります。 個人事業者やNPOといった非営利事業者も含む民間事業者などでは、不当な差別的とりあつかいが禁止。障害者に対して合理的配慮を行うよう努めなければなりません。なお、合理的配慮は、行政活動のほか、教育、医療、公共交通など幅広い分野が対象となり、さまざまな配慮が求められます。行政機関などは率先して取り組むように法的義務とし、民間事業者などは努力義務として、各分野の対応方針による自主的な取り組みが促されています。 4ページ こんなことってありませんか。 例1.お店で。 レストランなどの飲食店に入ろうとしている障害のある人を、車いすを利用しているということを理由に断った。 例2.入会手続きで。 スポーツクラブやカルチャーセンターなどに入会しようとする人が、障害があることを伝えると、そのことを理由に断った。 例3.賃貸契約で。 アパートやマンションを借りようとする人が、障害があることを伝えると、そのことを理由に部屋を貸さなかった。 例4.街の中で。 障害のある人が目的地に行くのに道順をたずねたが、早口で聞きとれなかった。 例5. 集会で。 聴覚障害があることを伝えていたが、主催者は必要な情報提供を音声でしか行わなかった。 例6. 会議で。 会議に参加した障害のある人が、内容を理解するためのサポートが必要だと申し出たが、何の対応もしなかった。 5ページ みなさんも注意しましょう。 障害者差別解消法は、行政機関や民間事業者などを対象とした法律で、一般の人の個人的な関係などで法律に違反しても罰せられることはありませんが、すべての人が障害への理解を深めることは大切なことです。 こんなことはやめましょう。 1.電車やバスなどの優先席や優先スペースの近くに障害のある人がいても席を譲らない。 2.施設などの出入り口に近く、スペースも広くとってある障害者トウ専用駐車場に駐車する。 3.飲食店などの中に身体障害者補助けん(盲導犬など)がいると、店員にクレームをつける。 6ページ こんな配慮をお願いします。 例1.お店で。 視覚障害のある人に、レストランのメニューに書かれている内容などを店員が読み上げながら説明する。 例2.受付で。 聴覚障害のある人に、ホテルや娯楽施設などの受付で、筆談や手話など音声とは違う方法でコミュニケーションをとる。また、マスクをしている場合には外す。 例3.出入り口で。 車いすを利用している人などのために、出入り口にスロープを設置するなど出入り口の段差をなくす工夫をする。 例4. 仕事場で。 精神障害のある人から申し出があったときは、しっかりと休養を取れるような配置を行う。また、一度に多くの情報が入ると混乱することがあるので、伝える情報は紙に書くなどして整理してゆっくり具体的に伝えることを心掛ける。 例5.空港で。 車いすを利用している人など歩行が困難な人の場合は、ほかの乗客よりも優先的に搭乗の案内をする。 例6.役所で。 知的障害のある人から申し出があったときなどは、特にゆっくり、丁寧に、繰り返し説明し、内容が理解されたことを確認しながら応対する。 7ページ みなさんも協力しましょう。 障害者差別解消法は、行政機関や民間事業者などを対象とした法律で、一般の人の個人的な関係などで課せられる義務ではありませんが、豊かな共生社会を実現するために、みんなで助け合うことは大切なことです。 こんなことで協力しましょう。 1.電車やバスなどの優先席や優先スペースの近くでは、携帯電話の電源を切るなどのルールを守る。 2.車いすを利用している人の手の届かない陳列棚の商品などを代わりにとって手渡す。 3.障害のある人に対する優遇措置(そうした措置で事実上の平等になる措置のこと、)に、フ平等感をいだかない。 8ページ 相模原市障害者差別解消支援地域協議会のネットワークで解決  障害者差別の解消を効果的に進めるために、相模原市障害者差別解消支援地域協議会を組織しています。この協議会によって関係機関などのネットワークができて、地域ぐるみで差別の解消に向けた主体的な取り組みをすることができます。 相模原市障害者差別解消支援地域協議会は、関係行政機関と障害者団体と保健・医療・教育・雇用の関係機関と市役所の関係機関と福祉の関係機関とその他の関係機関のネットワークでできています。 相談窓口について  市の事務事業における又は市職員による障害を理由とする差別については、各担当部署にご相談ください。また、民間事業者による差別については、基本的には当該事業者において対応することとなります。そのため、民間事業者が設置する既存の苦情解決体制や相談窓口を活用する等、当事者間での話し合いが重要になります。次の窓口においても、障害を理由とする差別に関するご相談を受け付けています。 緑区の相談窓口。緑障害福祉相談課。しんたい・知的福祉班。電話042-775-8810。精神保健福祉班。電話042-775-8811。城山保健福祉課。電話042-783-8136。津久井保健福祉課。電話042-780-1412。相模湖保健福祉課。電話042-684-3216。藤野保健福祉課。電話042-687-5511。中央区の相談窓口。中央障害福祉相談課。しんたい・知的福祉班。電話042-769-9266。精神保健福祉班。電話042-769-9806。南区の相談窓口。南障害福祉相談課。しんたい・知的福祉班。電話042-701-7722。精神保健福祉班。電話042-701-7715。 そのほかに、基幹相談支援センター、緑障害者相談支援キーステーション、南障害者相談支援キーステーション、障害福祉相談員、相談支援事業所などにおいても相談を受け付けています。 お問い合わせ先は、障害政策課。電話042-707-7055。