広報さがみはら No.1371 平成29年(2017年)10月15日号6面 ---------- 元気なうちに備えて安心 「成年後見制度」を利用しよう!  認知症や障害などにより判断能力が十分でない人に代わって、財産管理や福祉サービスなどの契約手続きをするのが「成年後見人」です。既に判断能力が十分でない人だけでなく、「今は元気だけど将来に備えておきたい」という人もこの制度を利用することができます。  自分の権利を守り、将来安心して暮らせるよう、制度の利用について考えてみませんか。 成年後見人が決まっていないと… Aさんの場合 息子夫婦と同居している80代女性  認知症により自分で資産の管理ができない状態になっていたAさん。Aさん名義の口座や不動産を処分し、本人の生活費に充てようと息子夫婦が窓口に行ったところ、成年後見人でなければ手続きができないと言われてしまい、親族はAさんの資産を整理することができなくなってしまいました。 ポイント 判断能力が十分でない人の法律行為には、成年後見人が必要です。 Bさんの場合 1人暮らしの70代男性  脳梗塞で病院へ運ばれ、後遺症により判断能力が低下してしまったBさん。施設への入所が必要となりましたが、頼れる親族がいないため、入所手続きや入院費の支払いが滞り、アパートの解約などもできなくなってしまいました。 ポイント 元気なうちに成年後見人を決めていれば、もしもの時もスムーズに手続きができます。 Cさんの場合 知的障害のある息子と暮らしている60代女性  息子がグループホームに入居することになったCさん。入所契約の時、今後息子では判断が難しい支払いや手続きがあることを知りました。自分がいなくなった後のことを考え、不安になってしまいました。 ポイント 息子に成年後見人がいれば、Cさんの代わりに手続きなどさまざまな支援をしてもらえます。 成年後見制度利用者に聞きました! 元気なうちに後見人を決めることで、将来への不安が軽減されました  昨年、心臓に病気があることが分かり入院しました。妻と2人暮らしで子どもがおらず、妻も足腰が弱ってきていたため、これからの生活に不安を感じていた時、見舞いに来た弟から成年後見制度の話を聞きました。退院後、相談窓口で詳細を聞いて、利用のための契約を結びました。  判断能力があるうちであれば、後見人を誰にするか、どんなことをお願いするかを自分で決めることができます。また、後見人を決めることで、自分の判断能力が低下した場合の妻への支援も含め、安心して生活を送ることができるようになりました。 ※判断能力があり、元気なうちに成年後見人を決める場合は公証役場、既に判断能力が十分でない人が成年後見制度を利用するには家庭裁判所での手続きが必要です。身寄りがなく、判断能力の低下などにより本人が手続きできない場合は、市が手続きを行うことができます。 ※判断能力が十分でない人の成年後見人は、親族か、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士、税理士などの第三者が家庭裁判所によって選ばれます。 成年後見人って何をしてくれるの? 在宅で1人暮らしをしているDさんを支援する後見人の場合〈1カ月の活動例〉 1日 Dさん宅に訪問し、生活状況の確認や現金の出納管理 8日 市役所でDさんの介護保険の更新申請 15日 銀行で年金額や預貯金残高の確認 21日 Dさん宅に不要な高級布団が届いていたためクーリングオフを実施 25日 家庭裁判所に活動内容を報告 30日 病院でDさんの健康診断の受診手続き 9月に誕生した市民後見人に聞きました! 地域住民同士の支え合いのために  福祉関係の仕事をしていた時から、高齢者や障害者の権利を守る成年後見制度の必要性を強く感じていました。定年になり、次は地域で福祉活動をしたいと考え、市民後見人養成研修を受講しました。  自分の経験を生かして、これから活動していきたいと思っています。 市民後見人とは  市が実施する研修で後見人として必要な知識・技術などを身に付け、対象者が地域の中で安心して暮らせるよう、市民の目線・立場で後見人として活動を行う人です。 ※活動するには、市の名簿に登録され、市から推薦される必要があります。 もっと詳しく知りたい人はこちらへ 専門家に聞いてみよう! 成年後見制度 市民公開講座  制度について、専門家がクイズなどを交えて分かりやすく説明します。また、弁護士、司法書士、行政書士、社会福祉士、税理士などによる個別相談会も行います。 日にち 10月21日(土曜日) 時間 講座=午後1時30分から3時 相談会=午後3時から4時 会場 南保健福祉センター 対象 市内在住か在勤・在学の人 定員 100人(申込順) 申し込み 10月19日までに、電話で市コールセンター(電話042−770−7777)へ 日にち 11月4日(土曜日) 時間 講座=午後1時30分から3時 相談会=午後3時から4時 会場 けやき会館  対象 市内在住か在勤・在学の人 定員 100人(申込順) 申し込み 10月31日までに、電話で市コールセンター(電話042−770−7777)へ 日にち 12月2日(土曜日) 時間 講座=午後1時30分から3時 相談会=午後3時から4時 会場 緑区合同庁舎  対象 市内在住か在勤・在学の人 定員 100人(申込順) 申し込み 11月26日までに、電話で市コールセンター(電話042−770−7777)へ 相談窓口・問い合わせ  緑区 対象者 高齢者  担当課 緑高齢者相談課  相談窓口・問い合わせ 042−775−8812   対象者 知的・精神障害者  担当課 緑障害福祉相談課  電話番号 042−775−8810、8811 中央区 対象者 高齢者  担当課 中央高齢者相談課  電話番号 042−769−8349   対象者 知的・精神障害者  担当課 中央障害福祉相談課  電話番号 042−769−9266、9806 南区 対象者 高齢者  担当課 南高齢者相談課  電話番号 042−701−7704 対象者 知的・精神障害者  担当課 南障害福祉相談課  電話番号 042−701−7722、7715 城山・津久井・相模湖・藤野地区に住んでいる人は各保健福祉課で相談できます。 担当課 城山保健福祉課 電話番号 042−783−8136 担当課 津久井保健福祉課 電話番号 042−780−1408 担当課 相模湖保健福祉課 電話番号 042−684−3216 担当課 藤野保健福祉課 電話番号 042−687−5511 ※高齢者の相談は各高齢者支援センターでもできます。