広報さがみはら No.1396 平成30年(2018年)11月1日号 6.7面 ---------- 特集 介護のいま これから  超高齢社会に暮らす私たち。「老老介護」「育児と介護を同時に」そんなケースに自分もいつか直面することになるかもしれません。今の自分にできること・必要なことを考えてみませんか。今回は「支える立場の介護」を特集します。 データ 数字で見るさがみはらの介護「今」と「これから」 市内の高齢化は、今後急速に進みます あと7年で高齢者の6割が75歳以上に 約20年後には、3人に1人が高齢者に ※「2015年国勢調査に基づく相模原市の将来人口推計」より ますます必要になる介護現場で働く人材  高齢者人口の増加に伴い、介護サービスの利用も増加し、継続的な介護人材の確保が課題となっていきます。 2018年の介護人材=14,800人 2025年に必要と見込まれる介護人材=19,700人 2025年に新たに必要と見込まれる介護人材=4,900人 ※高齢政策課調べ ディスカッション 私たちが生きていく未来はどんな社会に? 家族の介護を考える  「ある日突然、自分や家族が介護の必要な状態になったら?」「今すぐ準備できることはある?」介護の疑問について、さまざまな立場の皆さんに話し合ってもらいました。 今回、介護について話してくれたのは、この3人 佐藤浩史さん 40代  高齢者支援センターのスタッフとして、介護などのサポート全般を手掛ける。 新井冬美さん 40代  4児の母で、7年前から高次脳機能障害のある母の介護に向き合っている。現在は介護・子育て・仕事に奮闘中。 代田上詩織さん 20代  市内の大学で作業療法学を専攻する大学4年生。来春からは専門知識を生かして社会人デビュー。 今話そう、私と介護 新井さんの経験から 介護のキーワードは“抱え込まない” 新 母が突然くも膜下出血で倒れ、急に介護が始まりました。当初は、今何をするべきなのか、誰に相談をしていいかも分からなかったです。今までの母とは違う言動に戸惑う自分もいて…。 田 学校の実習先で患者さんのケアを担当したときにも、支える家族は相談する場所や人を求めているんだなと感じました。 新 行き詰まっていた私に、ケアマネジャー(介護支援専門員。介護を必要とする人やその家族と連携して介護サービスの給付計画・調整を行う有資格者)さんが短期間の入所を提案してくれたことがありました。聞いたときは、「そこまで頼るほどではないかなぁ」と思ったのですが、その後の考え方を変えるきっかけになりました。母のことを全て自分で抱え込まずサポートしてもらうこともできるんだなって。気持ちにも余裕が生まれて、母との関係も良くなっていきました。 佐 家族以外にも背中を押してくれる人がいる環境があることは大切だし、介護サービスをうまく使うという選択は、みんなが笑顔で暮らせる手段として、これからの時代に合っていますよね。 自然に、もっと身近に“介護”と向き合える社会に 田 家族がみんな元気なので、「自分の家族の介護」って考えるとまだ現実味がないです。 佐 家族が元気なうちからでも、生活に変化がないか気にかけることは大切です。あらかじめ家族同士で介護のことを話し合ってみるのも良いですね。 新 自分の経験上、いざ何か起こった時に、すぐに動けるように相談窓口(市では、介護に関する相談をはじめ、地域の高齢者が住み慣れた地域で暮らすための支援を行う高齢者支援センターを市内29カ所に設置しています)の存在だけでも知っておくことも大切だと思いました。 田 将来、仕事を続けていきたいと思うのですが、不安もあります。新井さんが介護をしながら仕事・子育ても両立させていると聞いて、すごいなと思います。 新 家族は私が一人の時間を持てるよう、家事なども協力的で心強いです。仕事自体も、忙しいけど気持ちを切り換えることができて、良いメリハリになっています。あと、何事も抱え込まず周りの人に気楽に話をしてみるのが一番ですよ。 田 これからは当たり前に介護が身近になっていくと思うんです。私も来年から作業療法士として働く中で、介護を受ける人もその家族も、その人らしく生活できるようにサポートしていきたいです。 佐 介護を経験した人や、介護が気になり始めた自分たちの年代が介護についてもっと声を出し合って、“介護”というテーマに身構えることが自然になくなるような社会になっていけばいいのかな。新井さんがそうだったように、いつか友人・知人が困ったときに「何をしたらいい」「こういうのがあるよ」と伝えて支え合う輪が広がっていってほしいと思います。 インタビュー たくさんの人の「自分らしい暮らし」を支えていく介護施設で働く私  高齢化が進む中、介護を必要とする人を支える仕事の重要性はますます高まっています。他の分野からの転職者も増えている今、介護の仕事のやりがいなどについて話を聞きました。 話してくれたのは高野真美さん(介護福祉士)  高校の福祉コースを卒業後、特別養護老人ホームに就職。6年目の現在は10人の利用者の生活をケアするリーダーを務める。 利用者の“楽しい・うれしいの気持ち”と“笑顔”を大切にしています  幼い頃から、祖父と話をする時間が好きだったこともあり、高齢者と接することの多いこの仕事に就きました。利用者の性格やライフスタイルは十人十色。それぞれに合った方法でケアをすることは、簡単なことではありませんが、スタッフ同士で話し合いながら、生き生きとした生活をしてもらえるよう日々工夫をしています。一緒に楽しい時間を過ごせたり、「ありがとう」の言葉をもらえる時は、うれしいですね。 介護に抱く漠然とした不安を取り除きたい  初めて介護に直面すると、戸惑いも多いはず。介護職の存在が利用者やその家族、地域に住む人にとっても、より身近になっていく必要があると思います。簡単にできる介助の方法を広めたり、素朴な疑問を相談できる場を広げたりすることで「楽しく、つらくない介護」を支えていきたいです。 人との関わりが自分自身を成長させてくれる仕事  人とお話するのが好きな人が、特に充実感を味わえる職業が“介護職”かもしれません。介護の仕事は大変というイメージがあるかもしれませんが、利用者との関わり方も介護の技術も、経験の積み重ねで身に付けていくことができます。日頃から笑顔とあいさつを大切にしたり、周りの人のふとした変化を気に掛けたりすることが、介護の仕事にも生きると思います。 ある日の勤務内容(遅番勤務 午前11時から午後8時) 出勤 午前11時 昼食準備 正午 利用者と一緒に昼食 午後1時 食後の片付け 午後2時 利用者と一緒に健康体操・おやつの準備 午後3時 利用者と一緒におやつ 午後4時 利用者と一緒に洗濯物たたみ 午後5時 夕食準備 午後6時 夕食介助 午後7時 食事後の後片付け・口腔(こうくう)ケア・就寝介助 帰宅 午後8時 インフォメーション もっと知りたい 介護のコト 「介護がある日常」について考えるきっかけに さがみはら介護の日大会 主な催し 「介護に笑顔はよく似合う」写真展 日時 11月8日(木曜日)午前10時から午後4時 会場 あじさい会館1階ロビー ※希望者は直接会場へ ※詳しくは市ホームページをご覧ください 介護にまつわる展示ブース・相談窓口  ○最新福祉機器・介護食品の展示紹介 ○スタンプラリー ○高齢者支援センターの活動紹介 ○福祉の専門職による相談窓口 日時 11月8日(木曜日)午前10時から午後4時 会場 あじさい会館6階 ※希望者は直接会場へ ※詳しくは市ホームページをご覧ください 研究発表 1階ホール 時間 11月8日(木曜日)午前10時から11時30分 ※希望者は直接会場へ ※詳しくは市ホームページをご覧ください 長く活躍する介護職員の表彰 日時 11月8日(木曜日)午後1時10分から1時30分 会場 あじさい会館1階ホール ※希望者は直接会場へ ※詳しくは市ホームページをご覧ください 講演会「初めてでもわかる成年後見制度」 1階ホール 日時 11月8日(木曜日)午後1時30分から2時30分 会場 あじさい会館 講師 桂 ひな太郎さん(落語家)、田中和亜さん(司法書士) 定員 300人(先着順) ※希望者は直接会場へ ※詳しくは市ホームページをご覧ください 直接、より詳しく、職場の声が聞ける さがみはら介護・福祉のしごと 就職相談会  市内の介護サービス・障害福祉サービス事業所などを運営する法人が集まります。各相談ブースでは、仕事内容について直接聞くことができます。ハローワーク相模原や市就職支援センターの職員による就職活動へのサポートもあります。 就職活動に関するセミナー 日時 11月24日(土曜日)午後1時から1時30分 会場 産業会館  ※希望者は直接会場へ 就職相談会 日時 11月24日(土曜日)午後1時30分から4時 会場 産業会館  ※希望者は直接会場へ 「介護のしごと」の魅力が分かる!PR冊子と動画をご覧ください  幅広い世代の人に向け、介護の仕事の魅力を分かりやすく紹介しています。 介護のしごと紹介冊子「介護のしごと」 2つの動画を公開中 「見てみよう!知ってみよう!介護の仕事」「介護職への扉」 ※詳しくは、市ホームページをご覧になるか、お問い合わせください。 問い合わせ 高齢政策課 電話042−769−8354 ---------- 市の手続き、イベントや施設のお問い合わせに… 相模原市コールセンター 電話042−770−7777 ファクス042−770−7766 午前8時から午後9時 年中無休 ※おかけ間違いにご注意ください。