広報さがみはら No.1455 令和3年(2021年)4月15日号 6・7面 ---------- 一人1台のパソコンで授業に参加する時代がやって来た! GIGA(ギガ)スクール始まる  パソコンはこれからの社会を生きる子どもたちにとって、鉛筆やノートと同じように身近な道具。パソコンを取り入れることで、学校教育はどう変わっていくのでしょうか。授業の様子を交えて紹介します。 ※GIGAスクールの「GIGA」は、「Global and Innovation Gateway for All」の省略で、直訳すると「世界的な規模での革新の入り口を全ての人に」です。 「GIGAスクール」とは? 児童・生徒、一人に1台のパソコン(以降、タブレットPCと表記)を用意し、学習に利用するという改革です。 GIGAスクールはなぜ始まった?  急速に進む社会のデジタル化。これまで学校ではインターネットやタブレットPCを使うことがあまりありませんでした。そのため、学校のデジタル化を進め、子どものうちから使う機会を増やすために、GIGAスクールは始まりました。 現在の社会 ■インターネットの普及で、より新しい情報に触れられる ■検索機能を使って、素早く簡単に調べられる ■キーボードでの入力で文書作成が効率的 ■双方向の情報発信や情報共有が簡単で、大人数で協力し合える環境がある 今までの学校  このギャップを解消するのがGIGAスクールなんだ! ■ 図書資料は情報の信頼性は高いが、最新ではないことがある ■ 調べものに手間がかかる ■ 教師の板書と児童・生徒がそれを書き写し時間が必要 ■ 教師から児童・生徒という一方通行の学習が中心 GIGAスクールの授業ってどんな感じ? 小学校のGIGAスクールは?@新磯小学校 学年を超えた交流活動「教えて!おにいさん、おねえさん」  新磯小学校では、学年の枠を超えた授業でタブレットPCの使い方を学習。2年生が1年生に、オンライン学習ドリルの使い方やタイピングの方法を教えていました。 みなさん、タブレットPCのIDが書かれたカードは準備できていますか? ↓ 今日は私たちと一緒にタブレットPCの使い方を学びましょう 2年生が使い方をまず説明 ↓ ここをタッチするの? そうそう! 中学校のGIGAスクールは?@緑が丘中学校 社会科「西洋文化と伝統文化」 学習課題「新しいお礼の肖像は誰だ!?」 タブレットPCで使用するもの ● 画像(肖像にしたい人物の写真) ● 教師が用意した紙幣のデザイン画 ● デジタルホワイトボード ● 生徒用辞書検索サイト(検索した用語が分かりやすい言葉で解説される) 導入 新しいお札が3年後に導入されるね。では、20年後のお札の肖像は誰がふさわしいだろう? 近年は日本の発展に貢献した文化人が選ばれているよ 教師はディスプレイ(大型テレビ)にイメージを表示しながら解説 生徒は今日の課題をタブレットPCでチェック ↓ グループワーク 20年後のお札にふさわしい人をグループで選ぶ 誰がふさわしいのか相談中。画像を検索する、教科書の内容を再確認する、ノートにいったんメモを取る生徒など、思い思いの方法で情報を収集する 教師は生徒のタブレットPCを確認しながら、アドバイスする 発表用資料をグループで作成しよう! 各グループのデジタルホワイトボードに、選んだ人物の名前、選んだ理由を入力する ↓ 発表 各グループがまとめた内容を発表する 現代社会の発展に貢献した人物をみんなは選んでいるようだね グループのボードは、ディスプレイに表示できるので、クラス全員で内容を確認できる ↓ 振り返り 先生からの授業のまとめを受けて、各自のまとめを書く 文字を書きたい生徒はノート、キーボード入力したい生徒はタブレットPCと、好きな方法を選択する 教師の声 緑が丘中学校 社会科 教諭 新城英輝(しんじょうえいき)さん  タブレットPCの導入で、「教師の板書」「生徒のノート書き取り」「プリントの配布」などの時間が節約でき、生徒が考える時間やグループで話し合う時間が増えました。  全教科に共通して必要な力のひとつに「情報活用能力」があり、課題の追求にタブレットPCを使ったグループワークを繰り返すことで、この能力が自然と身に付きます。すでに効果があり、本市の児童・生徒の情報活用能力は、全国平均より高いとの調査結果(出典:『相模原市教育委員会、相模原市立小・中学校等学校の情報化推進ガイドライン(令和2年度から5年度)』の『2各施策の取組の成果と課題(1)施策1「情報活用能力の育成」』)があります。  保護者の中には、導入してまだ期間が短いので、学習効果を不安に思う人もいます。一方で、「自分が子どものころにタブレットPCがあったら、勉強がもっと楽しかったのに」という声も多くいただいています。  タブレットPCは授業をより良くするための道具に過ぎず、道具に頼り過ぎないような授業を組み立てるよう心掛けています。 生徒の声 テスト勉強も、オンライン学習ドリルを使っています ノートを取るのが本当に苦手で、以前はほとんど書いていませんでした。キーボード入力は早くて楽!便利だなと思います 資料を見るのはタブレットPC、先生の話を記録するのはノートと使い分けています みんなで同じ画面を見ながら話し合えるので、グループで課題をやるときにすごく便利! GIGAスクールのQ&A Q タブレットで遊んでしまうのでは? A 日本では「コンピューター=ゲーム」の意識が強いとの調査結果(出典:国立教育政策研究所、OECD生徒の学習到達度調査(PISA2018))がありますが、コンピューターは勉強や問題解決に役立つ道具です。GIGAスクール構想では、意識を変えていくことを目指しています。 Q 人間関係が希薄にならない? A デジタルホワイトボードを使用することで、個々の意見を「見える化」して共有しながら作業を進められます。グループで協力しながら作業を進められるため、コミュニケーションが活発になります。 「自分で考える力を育てる」 それがGIGAスクール ↓ 学校でパソコンやインターネットを活用できるようになると ●授業を効率化できる ●個に応じた学びができる ●問題解決の選択肢が増える・学びが充実する ↓ 情報活用能力が身に付くことで、インターネットコミュニティやAIを活用するなど、今までにない方法で問題を解決できるようになる ●用語解説 タブレットPC 本市では「Google Chromebook(グーグル クロームブック)」を使用しています。Googleのソフトウェアがあらかじめ組み込まれているパソコンです。 オンライン パソコンやスマートフォンがインターネットでつながっている状態です。 デジタルホワイトボード 黒板やホワイトボードのようなもので、児童・生徒のアイデアなどを、その場で「見える化」して共有できます。 インターネットコミュニティ インターネットを通じて、関心のある分野や、目的などが共通の人が集まるサービスです。オンライン会議を開催したり、オンライン掲示板などを使用したりなど、世界規模でのコミュニケーションが可能です。 AI 人工知能といわれ、データを学習し、予測・判断できるコンピューターシステムです。 全国に先駆けたプログラミング的思考の教育 小学1年生から中学3年生までに身に付けるプログラミング的思考などの情報活用能力とそのためのプランを設定して、全校でその力を身に付ける授業を実践しています。 GIGAスクールもSDGs SDGs(エスディージーズ)とは、2015年の国連サミットで採択された2016年から2030年までの国際目標。世界中の誰もが幸せに暮らし続けるための17のゴールが設定されています。 4 質の高い教育をみんなに 10 人や国の不平等をなくそう Google、Google Chromebookは、Google LCCの商標または登録商標です。 問い合わせ 教育センター 電話042−754−2577 ---------- 市シティプロモーション Facebookページ 「相模原市シティプロモーション」@sagamihara.pr 市シティプロモーション Twitter 「相模原市シティプロモーション」@Sagamihara_PR