広報さがみはら No.1466 令和3年(2021年)10月1日号 5・6・7面 ---------- 森を守るために木を使おう 豊かな森は私たちの貴重な地域資源です。 木を植え、育てるだけでは、森を守れません。今回は、木が育った「その後」を、地元のブランド材「さがみはら津久井産材」の活用とともに紹介します。 「木を切って使う」までが健全な森づくり  本市の約6割が森林。森林の整備は私たちの暮らしを支える 本市の面積の約6割を占める森林は、重要な地域資源です。森林の維持には、「健全な森づくり」が必要不可欠。 森林を放置せず、間伐などの整備・保全をすることで、森林に陽光が入り、根の張った保水力のある森林ができます。整備された森林は、私たちの生活をさまざまな面で支えてくれます。 例えば… 強い土壌を作り、土砂災害を防ぐ 光合成がしやすい森は地球温暖化を防ぐ  ろ過作用などによっておいしい水を供給する土壌を育む など 木の利用が増えれば需要が高まり、健全な森が維持される 健全な森づくりのために伐採した木は、そのままでは朽ちて二酸化炭素を排出し、地球温暖化の要因になります。 さらに、木材の需要が低いままだと、木材の生産量も低くなるため、切った木をさまざまな方法で「使う」ことが重要です。 間伐材をはじめ、国産の木材を積極的に使うことで供給(生産)量が増え、新たな植林などの整備につながり、樹木の循環利用が促されます。 ブランド材として人気上昇中 さがみはら津久井産材 市内で伐採・出荷されたスギやヒノキ、広葉樹などの木材は「さがみはら津久井産材」と呼ばれています。 丹沢の北斜面の寒冷な土地で生育された木材は目が細かくて虫食いが少ないという特徴もあり、地域に根差したブランド材として注目を集めています。 木材が利用されないと、間伐 などの整備ができないから森林の荒廃が進んでしまう! 「健全な森づくり」を支える循環 整備された森林は 質の良い木が育つ 空気と水をきれいにする 成長した木を間引くなど森林を整備する 間引く 間引いた木材を利用する 植林など森林を整備する 間伐とは  森林の混み具合に応じて、樹木の一部を伐採して間引くこと。残った木の成長を促す 問い合わせ 森林政策課 電話042−780−1401 ---------- 樹木の循環利用=「森を守る」 切り出された木の使い道はさまざま。地域に根差すさがみはら津久井産材は、市内はもちろん、市外でも需要が高まり、活用されています。  問い合わせ 森林政策課 電話042−780−1401 写真が8枚あり、その説明 1・6・8 渋谷区内の公共トイレの内装に使用されたさがみはら津久井産材(8の外装は吉野杉)。木の爽やかな香りが漂う空間に、気分はまるで森の中…!? 2 木の素材の良さはそのままに、用途に合った化粧や加工を施していく  3 切り出した木材。製材に使用されることの多い3メートルから4メートルの長さに調整する  4 相模湖駅の駅舎にも、さがみはら津久井産材をふんだんに使用 5 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村で使用された木材。木材には全て「相模原市」の刻印が施されている  7 市内小学校などでは、地元産の木材を通して環境教育も実施している(写真は平成30年度の環境学習の様子) さがみはら津久井産材は、いろいろな場所で活躍中! “地元産”で学ぶぬくもり 市内小学校の机天板 地域の木材を活用し、家具や木工品を製作・販売する「さがみ湖森・モノづくり研究所」では、市の委託事業として小学校の学習机の天板をさがみはら津久井産材に取り替える「森の机事業」を実施。 天板の取り替えとともに、天板製作や森林の役割について説明する授業も行い、「森の恵み」を次の世代につないでいます。 さがみはら津久井産材に取り替えられた天板は5年間で29校、約3,500枚に上る 著名建築家・隈 研吾さんが手掛ける 都内公共トイレのインテリア 渋谷区で実施されている「ザ トーキョー トイレ」プロジェクト。世界で活躍する16人のクリエイターが区内公園の公共トイレをデザイン、設置してメディアでも話題になりました。 その中の一つ、鍋島松濤(しょうとう)公園のトイレの内装に、さがみはら津久井産材が使われています。 オシャレなトイレで話題になりました。 使用している木材もケヤキ、サクラ、コナラなど多種多様です 建築家・デザイナー 隈(くま)研吾(けんご)さんのプロフィール 日本を代表する建築家(一級建築士)、デザイナー。隈研吾建築都市設計事務所主宰。国立競技場や高輪ゲートウェイ駅のデザイン・設計をはじめ、これまで20カ国を超える国々で建築物を設計。 隈研吾さん インタビュー 「都市」の中に「自然」を表現する、さがみはら津久井産材の魅力 トイレのインテリアに木材を使うと決まった段階で、製材された木材ではなく表情のある木材を使いたいと考え、相模原のモリモ端材置き場に足を運びました。 各個室の雰囲気に合うように一つ一つ使用する木材を選びました。さがみはら津久井産材は自然の風合いが残っていて、ユニークな色や形、豊かな表情を見せてくれるところが気に入っています。 自然の中の施設はもちろん、都市の中にも自然の森を表現できる木材として、今後もさがみはら津久井産材を使っていきたいですね。 ワンランク上のキャンプが実現 スウェーデントーチ アウトドアレジャーとして人気の高いキャンプ。楽しいひとときをさらにおしゃれに演出するのがスウェーデントーチです。切り込みの入った1本の丸太に火を付け料理やたき火に利用します。 市内には、地元材のスウェーデントーチなどを販売しているキャンプ場・店舗もあります。 桐花園キャンプ場(緑区佐野川) 青野原野呂ロッジキャンプ場(緑区青野原) キャンプ アンド クラフト(緑区三ケ木) ※不定期で販売 写真左がスウェーデントーチ。東京2020パラリンピックの採火の際に利用された やすらぎを感じさせる空間づくり 市内公共施設などの建物 市内の公共施設では、さがみはら津久井産材をさまざまな用途で活用しています。 建物の資材(一部の施設)天吊り課名表示板、ラック など このほか、民間の施設などでも利用が進んでいます。 今年7月に実証運営が始まったテレワークセンター「森のイノベーションラボFUJINO(森ラボ)」でも、内装などにさがみはら津久井産材を活用 店内パーテーションや利用者の憩いの場となるベンチとして活躍〈写真は両方ともグッディプレイス(中央区中央)〉 選手村ビレッジプラザ(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会選手村)にも、さがみはら津久井産材約180本を提供しました。選手村解体後は、本市に返却され、レガシーとして活用します。 家庭でも使いやすい 家具や小物 建築物だけでなく、家庭でも利用しやすい机や椅子、積み木などのおもちゃ、置物などにも生まれ変わっています。 どの製品も、木の優しさを感じられる、温かみがあります。 10月は木材利用促進月間 木とふれあい、森に親しみをもとう 支援制度・モデルハウス 新築・リフォームで地元の木材を使おう  「さがみはら津久井産材の家づくり事業」 住宅建設・改築経費の一部を補助します。 補助額 1立方メートル当たり2万円。上限40万円 ※さがみはら津久井産材の5立方メートル以上の使用が条件 ※詳しくは、電話で森林政策課(電話042−780−1401)へ モデルハウスで木材の良さを体感 木の香りが漂うモデルハウスが藤野に完成。建物だけでなく家具にも地元の木材が使われています。 所在地 緑区名倉1076−6 ※見学など、事前にお問い合わせください。 問い合わせ 創和建設 電話042−687−6400 PRにも力を入れています 産地証明制度でさがみはら津久井産材のブランド力をアップ! 昨今の地元材への注目や、高い品質への評価をより確かなものにするため、市内で伐採・出荷した木材には「さがみはら津久井産材流通確認証」を発行。 製材、加工、販売の流通過程で各事業者が署名し、家や家具などの購入者に証明書として渡しています。 さがみはら津久井産材 流通確認証  公式ロゴマーク&キャラクターが市内の森や木材をPR 今年4月に発行された啓発チラシに登場した公式ロゴマークとキャラクター。森への思いや地元材の利用を呼び掛けます。 4コマ漫画や分かりやすい解説で地元材を使うメリットや森の役割などを紹介 新組織で林業振興や森林整備促進を強化中! 林業の振興や森林整備を強化するため、今年4月に森林政策課を新設。 さがみはら津久井産材のPRをはじめ、森林の整備、令和元年東日本台風被害の復旧、県と共同での森林災害時の対応訓練などに取り組んでいます。 国の取り組みも 皆さんの税金の一部が森林のために使われます「健全な森づくり」を全国で 全国の森林の整備・保全や木材の活用に使うため、各自治体には国から「森林環境譲与税」が譲与・分配されています。 この譲与税の財源として課税が始まるのが令和6年度から始まる森林環境税。森林の整備や維持は、今や全国規模の課題となっています。 本市では、譲与税を使って実施した取り組みなどを、市ホームページで公表しています。 ---------- 市シティプロモーション Facebookページ 「相模原市シティプロモーション」 @sagamihara.pr 市シティプロモーション Twitter 「相模原市シティプロモーション」 @Sagamihara_PR アクセスしてね♪ 市コールセンターFacebookページ「ちょっとおしらせ相模原」 @oshirase.sagamihara コールセンターからちょっとおしらせ 家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)を直接持ち込める指定引取場所が中央区田名に開設されました。詳しくは、市ホームページをご確認ください。