広報さがみはら No.1470 令和3年(2021年)12月1日号 2・3面 ---------- 共にささえあい 生きる社会 私にとって「共に生きる」とは 市内で暮らしている障害のある人や支援している人の姿から、誰もが幸せに生きられる社会とはどのようなものか、そのヒントが見つかるかもしれません。  12月3日から9日は障害者週間 問い合わせ 高齢・障害者福祉課 電話042−707−7055  共に生き、自分らしく暮らす 津久井やまゆり園 事件から5年がたちました。新しい津久井やまゆり園は今年8月に開所し、利用者の皆さんが生活を始めています。 津久井やまゆり園とは…県立の障害者支援施設。主に知的障害がある人が日常生活や健康管理のための支援を受けている。 共に笑う 利用者の気持ちに寄り添い、共に笑える空間があります。 写真の説明 リラックススペースでの永井園長。名札に興味を持ち、ひもを引っ張ろうとする利用者と笑顔で触れ合っていた 共に暮らす 生活に欠かせない買い物など、日々を楽しみながら共に暮らしています。 写真の説明 買い物中の奥津さんと支援員。この日は利用者同士で給仕と客をする「プリティカフェ」のために、ココアなどの飲み物を買っていた 写真の説明 奥津さんの部屋。工作好きな奥津さんが折った折り紙作品などを色とりどりに飾っていた 写真の説明 利用者が暮らす居住ユニット入り口のプレート(さがみはら津久井産材製)。ユニットの名称には、鳥の名前を付けると利用者からの意見で決まった 写真の説明 利用者がよく利用するスーパー「なかみせ」。店長も園に協力してくれている 写真の説明 「利用者自治会」の会長は、選挙で利用者が決める。会長にはみんなの意見を園に伝える役目がある。奥津さんも立候補 共に過ごす 健康や身だしなみに気を使うなど、自分を大事にしながら、誰かと共に過ごす喜びがあります。 写真の説明 利用者の大月さんと手伝いをする支援員。ひげをそる部屋や角度・持ち方にもこだわりがある。ひげをそった後は満足そうな様子 写真の説明 歯科診療室。 月に数回ある診療日で利用者の健康を守る。今後は、地域の人も利用できるように検討中 園長 永井清光(ながいきよみつ)さん(中央区在住)にインタビュー 永井さんのプロフィール 人の役に立つ仕事をと考え福祉従事者を目指す。園を運営するかながわ共同会に入職して27年。7月から現職 11月7日の千木良地区防災訓練に、園の利用者と職員が参加。今後も地域のイベント参加を検討中 永井さんのコメント 学校や病院と同じく、地域の一員として支えあえる福祉施設へ 緊急事態宣言解除後に回った地域住民へのあいさつで、多くの人から「再開できて良かったですね。これからも頑張ってください」といった温かい言葉をもらったことがとても励みになりました。 先日の衆議院議員選挙では、利用者さんも期日前投票に参加していただきました。園の外に出かけることは、地域との交流になりますし、園と地域がつながると、障がい者に対する理解が深まる。 また、利用者さんが当たり前のことをどんどん経験していくことが、地域生活移行など、いろいろな可能性につながると思います。 共に生きる社会にするためには、小さい頃から障がい者との関わりを持ち、障がい者福祉を感覚的に知ってもらうような教育が大切だと思います。 「障がい者だから」という、意識の壁を取り払い、障がい者が社会で共に生活することが普通のことという考え方が広がることを願っています。 常勤支援員 内野純子(うちのすみこ)さん(緑区在住)にインタビュー 内野さんのプロフィール 主に女性利用者の支援を担当。園の勤務は臨時の手伝いから始め、今年で27年 内野さんのコメント 一人ひとりの心の幸福さが大切 園のある千木良で生まれ育ち、子どもの頃は園のグラウンドで友達と遊ぶ中、利用者さんたちと交流するのが日常でした。好きな漫画の交換会や、園のお祭りの模擬店、花火などの行事も大切な思い出です。 仕事で気を付けていることは笑顔でいること。笑顔には笑顔が返ってくる!と思っています。そして、自己満足で独り善がりな支援にならないように、利用者さんのペースに合わせること。 そのために、一人で考えるのではなく、同僚と話し合い、上司に相談して園全体で考えています。 共に生きる社会とは、皆が自分を愛することができる社会だと思います。病気の方や小さな子ども、高齢者、自然や動物にも優しい人が増えていけばいいと思います。障がいがあるから声を掛けなければ!というのも違う。 意識の中にある壁は、自然になくなるのが一番ですが、難しいことだと思います。本当に大切なものは何かを考え、感じていくことがこれからの時代には必要ではないでしょうか。 市内で活動している福祉団体 障害のある人が互いにささえあう 障害のある人や家族などの団体と、活動をサポートするためのさまざまな取り組みの一部を紹介します。 れんきょう(市障害児者福祉団体連絡協議会) 3つの障害(身体・知的・精神)に関わる当事者、家族などの会を含む11の団体で構成。障害のある人が自分らしく安心して暮らせる社会の実現を目指し、市内の障害児者福祉団体が、障害の種類の枠を超えて連携しています。 市民の障害に対する理解を深め、障害福祉を充実・向上するために活動しています。 主な活動内容 各種フォーラムや講演会などの実施 市障害者週間のつどいの開催 ほかほかふれあいフェスタの開催 情報発信サイト「さーくる」の運営 令和元年の市障害者週間のつどいの様子。作文やポスターの入賞作品の表彰や手話パフォーマンスライブなどを実施 障害への理解を進める情報発信サイト「さーくる」をチェックしよう 障害への対応方法や障害者団体、イベント情報、障害者に関するマークなどを紹介しています。 相身連(市身体障害者連合会) 市内身体障害者福祉の3団体が加盟。当事者団体相互の親睦と障害者福祉の向上のため、障害者作品展や障害者スポーツ大会への選手の派遣、歩行訓練会などを実施しています。 障害者作品展 市内の障害のある人が作製した、絵画・書道・手芸など、400点以上が並ぶ作品展です。 日時 12月4日(土曜日)・5日(日曜日)午前9時30分から午後4時 会場 あじさい会館6階 第1・2展示室 元年の展示。写真や生け花など、多岐にわたる作品が並ぶ 誰もがいきいきと笑顔で暮らせるために 地域みんなでささえあう 今回は、パラスポーツ、ボランティア、福祉施設の職員など、さまざまな立場の人から話を伺いました。「共にささえあい 生きる社会」に向けての思いや行動は人それぞれです。 その中でも、私たち全員の願いや、大事にしなくてはいけないことは、共通しているのではないでしょうか。 温かい心で、全ての人の命を大切にすること お互いに相手の個性を認め合うこと 誰もが自分らしくいきいきと暮らせること 障害がある人の生きづらさとなる壁や偏見、差別をなくすこと 市の主な取り組み 「共にささえあい 生きる社会」を理念に掲げた理解促進、パラスポーツの体験を通した障害者理解 福祉研修センター(障害者支援センター松が丘園内)での各種研修の開催、医療的ケア児者を看護する支援者の養成 成年後見制度の利用促進のための中核機関の設置、障害者差別解消に向けた研修会や事業者への啓発 緊急時の短期入所施設の拡充、重度の障害のある人を支援する事業所の確保 誰もが幸せに、当たり前の日常を過ごすため、私たち自身がしたいこと、できることがどんなことか考えてみませんか。  できることから始めよう ちょっとした思いやりでささえあう Step1 障害を正しく理解しよう 障害は誰にでも起こり得る身近なものです。 障害は多種多様で、同じ障害でも一律ではありません。 外見では分からない障害もあります。 周囲の理解や配慮があれば、自立した生活や就労など、できることが多くあります。 ヘルプマークを知っていますか 外見では分からない障害や難病のある人が、援助や配慮を受けやすくするためのマークです。 ヘルプマークを配布しています 対象 義足や人工関節を使用している、内部障害や難病がある、妊娠初期など、援助や配慮を必要としている人 申込書等配布場所 高齢・障害者福祉課、各高齢・障害者相談課、各保健福祉課 ヘルプマークを見掛けたら… バスや電車で 席を譲る 駅や商業施設などで 困っていたら声を掛ける 災害時は 安全に避難するための支援をする などの配慮をお願いします。 Step2 できる範囲で、配慮と工夫をしよう 障害のある人に対して、自分は何ができるか考えてみましょう。 困っている人を見掛けた 「お手伝いできることはありますか」と声を掛けましょう。 視・聴覚に障害のある人は、身の危険に気付かない場合も 声掛けのほか、体に触れるなどして、危険を知らせましょう。 「障害があるから」と決めつけない それぞれの個性や能力を認め、活用することを一緒に考えてみましょう。 合理的配慮を知っていますか 障害のある人が何らかの対応を必要としている場合は、合理的配慮が求められています。また、障害者差別解消法では、公的機関や企業などが、障害を理由として不当にサービスの提供を拒否・制限することなどを禁止しています。 例えば… 視覚に障害のある人を支えて案内する 聴覚に障害のある人に筆談で説明する 合理的配慮とは? 障害のある人から助けを求められたときに、その人が感じるバリアーを取り除く、軽減するなどの配慮をすることです。 詳しくは、内閣府ホームページ「合理的配慮サーチ」をご覧ください。 ---------- 市シティプロモーションFacebookページ 「相模原市シティプロモーション」@sagamihara.pr 市シティプロモーションTwitter 「相模原市シティプロモーション」@Sagamihara_PR アクセスしてね♪