消防局長インタビュー
「家族」のような部隊で 災害に挑み続ける
相模原市消防局長 青木 浩
- プロフィール
昭和36年生まれ 趣味:スイミング・ヨガ
昭和54年に消防職員に拝命後、予防、警防、救急の各分野で様々な課題解決に尽力し、平成30年4月に消防局長就任。
国際消防救助隊の一員としてインドネシア・スマトラ島沖大地震への派遣や、東日本大震災では後方支援隊長として任務を遂行するなど、国内外で様々な災害活動を経験。
相模原市の災害の状況について教えてください。
- 火災件数は減少傾向、増加傾向にあった救急件数は新型コロナウイルス感染症の影響により今年は減少傾向にある。
災害発生状況をみると、昨年、本市で発生した火災は141件で、全国的にも減少傾向にあります。令和2年10月1日現在、昨年と比較して更に減少しており、住宅火災における死者も発生していません。住宅防火対策を始めとした火災予防など、引き続き、あらゆる取組を進めていきたいと思います。
一方、救急件数は、高齢化の進行等により、昨年まで増加の一途をたどっています。また、救助件数や自動火災報知設備のベルが鳴ったが原因が不明だとか、事故車両からオイルが漏洩しているなどで出場する各種災害件数も緩やかに増加傾向にあります。
今年の救急件数は、新型コロナウイルス感染症の影響により不要不急の外出が控えられていることや感染予防が徹底されていることなどから、これまで右肩上がりで増加してきましたが、昨年と比較して減少しています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が収束すれば、今後も引き続き、高齢化が進行することなどを踏まえると、救急件数は、再び増加に転じることも想定されます。
新たな救急隊の配置はもとより、予防救急※1や救急車の適正利用の普及啓発などの取組を推進し、今後の救急需要に適切に対応していきます。
※1予防救急とは
救急車が必要となるような病気やケガを未然に防ぐための取組
安全で安心なまちにしていくための今後の取組について教えてください。
- 市民の期待に応えられるよう消防にできることを常に模索し準備をする。
人口や世帯が集中している地区においては、多くの救急要請があります。この救急需要に適切に対応するため、平成31年4月に毎日勤務職員による日勤救急隊を相模原消防署本署に配置し、令和2年4月には、南消防署本署にも配置しました。
さらに、令和3年4月には相模原消防署本署に24時間体制の救急隊を配置し、2隊体制とすることとしています。
市民の安全と安心を守るためには、通報された全ての事案に対して適切に対処していかなければなりません。
新型コロナウイルス感染症への対応を始め、市民の生命、財産を脅かす災害や事故はこれまで以上に大規模かつ複雑多様化の傾向にあり、首都直下地震などの大規模地震や、昨年、本市においても大きな被害をもたらした令和元年東日本台風などの風水害、テロ災害が発生した際の対応など、消防の役割はますます高まっています。
今後の社会経済情勢や相模原市を取り巻く環境の変化を敏感に捉えつつ、消防にできることを常に模索し、これまで以上に適切かつ柔軟に対応して「安全で安心な暮らしやすいまち」の実現を最大の目的に、消防局の職員が一丸となって、市民の皆様の期待に応えていきたいと思います。
近年、本市消防局においても大量退職期を迎えています。 将来の相模原消防を支える職員を採用するに当たり、どのようなことに着目していますか。
- 素直で熱意を感じられる人こそ必要な人材である。
素直で熱意を感じられる人こそ必要な人材である。
一番大切なのは「素直さ」や「偽りがない」ことです。そこに市民の安全と安心を守っていくという「熱意」を感じられる人が、今の相模原消防に必要な人材だと思っています。職員採用試験における面接においての話になりますが、限られた時間では受験者の全てを把握するというのは、正直、不可能だと思います。
ただ、受験者の目を見て話していると、その人の真剣さや人間性が伝わってきます。自分の考えを持ち、素直に偽りなく思ったことを自分の言葉で表現できる人を、私は信じていきたいと思っています。
消防におけるチームワークの重要性について教えてください。
- 家族のような強いチームワークで災害に立ち向かう。
消防職員にとってのチームワークは、「困難な現場で活動するのになくてはならないもの。」ということにつきます。逃げ遅れた方を迅速に救助し、火災を鎮火させるには、現場に車両や資機材が全て揃っていて、それらを有効に活用する家族のような強いチームワークを持った部隊とそれら部隊が緊密に連携することが必要です。
各部隊には、指揮する隊長がいて、サポート役の副隊長、さらに、機関員※2、隊員がいて、一つの家族のように部隊が編成されており、災害には皆で力を合わせて一つの目的に向かっていかなければなりません。お互いを助け合うことのできるチームワークを持った部隊であれば、想像を超える力を発揮して、複雑かつ多様化する様々な災害に立ち向かうことができます。
※2機関員:消防車両を運転し、災害現場では放水するためのポンプを運用したり、はしごなどの特殊装備を操作したりする職員。
消防人生において大切にしてきたものはなんですか。

- 色々な人に助けられたからこそ人との付き合いを大切にしている。
私が大切にしてきたものは、人との付き合いです。私が今、消防局長を務めているのは、私一人が頑張ってきたのではなく、様々な困難に直面したとき、多くの先輩方から適切な指導をいただき、同僚や部下に助けられ、自分の成長につなげることができたからだと感じています。だからこそ、人との付き合いを大切にしているのです。
消防局の理想像について教えてください。
- 人に嫌がられることは絶対しない。みんなが同じ思いで仕事ができれば絶対日本一の消防になる。
人に嫌がられることはやらない。そうすれば日本一の消防になれます。なぜなら、嫌なことが無くなるからであり、嫌だなと思ったことをされたりしない。逆に褒められたこと、嬉しいと思ったことをしていく。私はそういう気持ちで常に仕事しているし、みんなもそうであってほしい。また、業務において無駄をなくし、変えたいと思ったら積極的に変えていく。これらを積み重ねれば、絶対日本一の消防になれるはずです。
全職員が同じ思いで仕事に取組み、相模原市民のためにも日本一の消防を常に目指していきたい。それが理想です。
インタビューの最後に趣味についてお聞きしました。
最近は、ヨガにはまっていて毎日1時間やっているそうです。
歯磨きのときにやっているポーズを見せていただきました!
しかし、撮影NG…!!ということで代わりに佐々木がやりました。
こんな感じでしょうか。太ももを下げずに2分間。
ぜひ皆さんもやってみてください。
【記事作成】令和2年10月6日 相模原消防署警備課緑が丘分署 2部消防隊 佐々木
本記事掲載の写真は一部撮影のため、一時的にマスクを外しています。
このページについて、ご意見をお聞かせください
このページに関するお問い合わせ
指令課
住所:〒252-0239 中央区中央2-2-15 消防指令センター2階
電話:042-751-9111 ファクス:042-751-9284
指令課へのメールでのお問い合わせ専用フォーム