古清水上組のヤツボ ―江戸時代から受け継がれる水―(宮崎保彦さん)

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ページ番号1011202  最終更新日 平成30年1月12日

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平成24年度市民カメラマン
宮崎保彦さんのリポート

  • ヤツボの写真1
  • ヤツボの写真2

相模原市は、水利に乏しい相模原台地に広がっていますが、段丘崖には湧水が豊富に見られ、古い集落の多くは、こうした湧水や、その水を集めて流れる河川沿いに開かれました。
江戸時代の緑区大島から田名周辺では、湧水を石組みで囲ってつぼ状のため池にしたものを「ヤツボ」と呼び、井戸とともに生活用水として活用していました。当時、このようなため池が8カ所あったため「八壺(ヤツボ)」と呼ばれたとの解釈がありますが、実際にはその倍ほどあったともいわれ、真偽の程は不明です。
その後、時代と共に水道の普及が進み昭和30年以降になると、役目を終えたヤツボは埋まったり、コンクリートでふさがれたりして次第に忘れ去られていきました。
現在、同地区には豊富な湧水が見られるヤツボが複数残っており、石垣を組んだつぼ状のため池という伝統的な形を残す「中ノ郷のヤツボ」と「水場のヤツボ」は、相模原市登録文化財に登録されています。
さて、今回紹介するヤツボは、清岩寺(緑区大島)から相模川へ向かって下ったところに位置する「古清水上組(こしみずかみぐみ)のヤツボ」です。近年まで竹やぶに隠れ、存在が分らなくなっていましたが、現在では見学路や案内板が整備され、地元の人には良く知られることになったでしょう。
「古清水上組のヤツボ」は、4~5メートル四方でつぼ状のため池になっています。水質の悪化により、飲料水としての使用は難しいが、水はかれたことがありません。現在は、安全上及び保護のため、池の底に石を敷いていますが、石組みもきれいに残っており、状態はとても良いと思います。
古くから人びとの生活を支えてきた水は、現在も湧き続けています。相模原台地に広がる自然の力を感じ取ってみてはいかがでしょうか。
(平成24年12月 24年度市民カメラマン 宮崎保彦)

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