身に覚えのない請求は無視! 架空、不当請求にご注意
相変わらず、架空請求や不当請求に関する相談が多数寄せられています。その手口もますます巧妙、悪質化しています。被害に遭わないように手口と対処法をご紹介します。
事例1 友だちからのメールかと思いアクセスしたら入会になってしまった
ショートメッセージサービスで「写真を撮ったから見て」とメールが届いたので、友だちから届いたと思いURLにアクセスし、「入口」をクリックしたとたん、「入会ありがとうございます」というメッセージと自分の携帯電話番号、利用料金が表示されたので慌てて切った。払うべきか。
事例2 個体識別番号から住所、氏名などがわかるって本当?
携帯電話でネットサーフィン中、アダルトサイトに入ってしまい、サンプル画像をクリックしたら「自動登録されました」という表示と個体識別番号が出てきた。驚いて利用規約を探したところ、ページの一番下にあり、「クリックした時点で自動登録になる」「2万9,000円を3日以内に振り込むこと」などが書いてあった。
登録するつもりはなかったので支払いたくないが、「個体識別番号から調査する」とも書いてあった。どうしたらよいか。
事例1・事例2についてのアドバイス
- 意図せずアクセスして利用料金の請求を受けても、言われるままに支払わないこと
事例1・事例2のような手口を用いている業者が「入会ありがとうございます」や「登録されました」と表示しても、そもそも契約が有効に成立しているとは考えられない。契約成立には料金を明示して意思を確認する画面を設けなければいけない。
業者から請求されても支払わず、消費生活センターに相談すること。怖いからといって支払うと次々に請求されることにつながる。 - 個体識別番号などから個人情報は特定できないので、過度に不安にならないこと
「個体識別番号」と称して表示されるものには(1)携帯電話会社名と端末の機種、(2)業者が勝手に付与したID(どの携帯電話からアクセスしても同じIDのものと変化するものがある)がある。だが、こういった情報からアクセスした消費者の氏名や住所などの個人情報は特定できない。アクセスエリアが表示されることもあるが、同様である。また、業者は、携帯電話番号やメールアドレスなどから、氏名や住所などの個人情報を携帯電話会社を通じて調べることもできない。不安になって連絡すると、新たな情報を知らせることになるので連絡しないこと。 - 不用意にアクセスしないこと
事例1と同様のケースには携帯電話会社からのメールを装ったものもある。また、「無料の待ち受け画面サイト」や「無料の着信メロディサイト」「雑誌で紹介されたサイト」などにリンクされていたURLへアクセスしたところ事例2と同様のトラブルに巻き込まれたケースもある。パソコンでも同様のトラブルがある。思わぬトラブルに巻き込まれないためには、アクセスしないことが肝要である。
(注)誤操作などにより、誤ってクリックしてしまったというケースにおいて、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」(電子消費者契約法)により、契約の無効を主張できる。
事例3 裁判所からはがきがきた? (裁判所からの通知を装った架空、不当請求)
「訴訟最終通達書」と書かれたはがきが届いた。民事で訴えられたので連絡せよ、連絡がない場合は出廷となり、給与差し押さえなどをするという内容が書いてあった。訴訟番号も書いてある。
身に覚えがないので無視しようと思うが、最近、テレビで「裁判所から来た通知は無視してはいけない」と言っているのを聞いたので連絡しなくてはいけないかと悩んでいる。どうすればよいか。
事例3についてのアドバイス
- 裁判所からの通知がはがきや普通郵便で届くことはないので、無視すること
本当に裁判所から届いた少額訴訟(参考1)の訴状や支払い督促(参考2)の送達であれば、「特別送達」と記載された裁判所の名前入りの封書が、特別送達という方法で届けられる。特別送達は、郵便職員が名宛人に手渡すのが原則で、受け取る際に「郵便送達報告書」に受け取った人の署名又は押印を求められる。
はがきに記載された相手先に連絡すると、さらに個人情報を知られてしまう危険性があるため、絶対に連絡してはいけない。また、証拠としてはがきを保管しておくこと。 - 発送元が裁判所である通知(封書)が届いた場合のみ、覚えがなくても放置せず、裁判所に確認すること
裁判所からの通知を装い、書類を偽造して送り付けてくるケースもあり、書類の真偽の判断は難しいので、放置せず、必ず裁判所に確認すること(通知に記載されている電話番号へ連絡することは絶対にしない。電話帳などで本当の裁判所の電話番号を調べたうえで確認する)。
参考
参考1 少額訴訟とは、
- 60万円以下の金銭の支払いの請求を目的とする事件に特別に利用できる、簡易裁判所における訴訟手続きのこと。原則、1回の審理を経て判決が下される。
- 訴えられた者が異議申し立てもせず、出廷もせず放置すると、訴えた者の主張を認めたものとみなされ、裁判所はそれを基に判決することになる。
参考2 支払督促とは、
- 債権者が、原則として、債務者(相手方)の住所のある地域の裁判を受け持つ簡易裁判所の裁判所書記官に対する申立てを行うことにより、債務者に対して金銭の支払いを命じる制度。
- 支払督促の送達を受けた日から2週間以内に、異議申立てをしない場合には、その支払督促は、確定判決と同じ効力を有するものとされる。
よくある事例
Q1 「法務省認可法人」と名乗っているが、本当に法務省認可法人なのか?
A1 法務省の所管法人のうち、「認可法人」と呼べるのは、「公共嘱託登記司法書士協会」と「公共嘱託登記土地家屋調査士協会」だけ。また、「法務省認可特殊法人」や「法務省許可法人」といった組織も存在しない。「法務局認可法人」などもない。
Q2 「電子消費者契約民法特例法」という法律は本当にあるのか?
A2 ない。
Q3 請求元は、はがきを「法務省認定通達書」であるとしているが、法務省の認定通達書とは何か?
A3 そのような文書は存在しない(法務省ホームページから)。
Q4 期限内に支払わないと「1日1,000円」の延滞料金を請求するとある。正当な請求の場合は支払わないといけないのか?
A4 消費者契約法で、年14.6パーセントを超える延滞料金を支払う必要はないと定められている。
Q5 サイト運営者から未納利用料金について債権譲渡を受けたと称する債権回収業者から請求を受けた。支払わないといけないか?
A5 債権譲渡を行った旨の通知が、事前に、サイト運営者からなされていなければ支払う必要はない。
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