感染症情報センター
感染症情報センターとは
感染症情報センターは、国の感染症発生動向調査実施要綱に基づき設置されるもので、各都道府県等域内に1カ所、原則として地方衛生研究所に設置することとなっています。本市では、平成31年1月1日から、相模原市衛生研究所に感染症情報センターを設置し、感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析し、提供しています。
急性呼吸器感染症(ARI)について
急性呼吸器感染症(ARI)とは、細菌やウイルス等の感染による急性の呼吸器症状(鼻炎、中耳炎、咽頭炎、気管支炎、肺炎等)を呈する症例の総称です。令和7年4月7日から感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)上の5類感染症に位置付けられ、感染症発生動向調査の対象となりました。
これにより、飛沫感染等で流行しやすい急性呼吸器感染症の動向を把握することができるようになります。また、平時の流行状況を把握することで、未知の病原体による呼吸器感染症が発生し、増加し始めた場合に迅速に探知することが可能となります。
相模原市感染症情報センターでは、発生動向調査により得られた情報を用いて市民や医療関係者の皆様へ感染症の注意喚起を早期に行うなど公衆衛生対策の向上につなげることができるよう努めてまいります。
週報(毎週木曜日午後3時頃更新予定)
週1回、市内における感染症発生状況(全数把握疾患、定点把握疾患)を掲載
週報トピックス
今週の注目疾患 感染性胃腸炎(ノロウイルス)
神奈川県からノロウイルス食中毒警戒情報が発令されました。この先患者数が増加する可能性があるため、注意しましょう。
感染性胃腸炎は、様々な細菌やウイルス等による感染症で、一年を通して発生していますが、例年11月くらいから発生件数が増加し、12月~翌年1月が発生のピークになる傾向があります。冬季の流行はノロウイルスが主な原因であると言われています。
手指や汚染された食品などを介して口に入り感染し、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、小児や高齢者などでは重症化したり、おう吐物を誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
感染を予防するには手洗いが重要です。トイレの後や調理、食事の前には石けんと流水で十分に手を洗いましょう。また家庭内や集団で生活している施設でのまん延を防ぐためには、感染した人のおう吐物やふん便を正しく処理し、二次感染を予防することが重要です。
おう吐物・ふん便は正しく処理しましょう
集団感染の大半は、施設内部でヒトからヒトに感染(二次感染)して広がります。
汚物は乾燥する前に処理を済ませることが大切です。
乾燥するとウイルスが空気中に舞い上がり、二次感染につながる恐れがあります。
処理手順
- おう吐物・ふん便の処理
- マスクと手袋を着用し換気する
- おう吐物・ふん便をペーパータオル等で静かにふき取る
- 広い範囲を0.1%塩素系漂白剤を染み込ませたペーパータオルや新聞紙で10分浸す
- 処理した汚物はビニール袋に入れ、汚物が十分に浸る量の0.1%塩素系漂白剤に浸し、密封して破棄する
- 最後に水拭きをする
- 塩素系漂白剤の調整方法
- 0.1%塩素系漂白剤
水500ミリリットルに市販の塩素系漂白剤(5%)キャップ2杯分(10ミリリットル) - ドアノブやおもちゃなどの消毒の際は、塩素系漂白剤 0.02%
水500ミリリットルに市販の塩素系漂白剤(5%)をキャップ約2分の1杯分(2ミリリットル)
- 0.1%塩素系漂白剤
注:市販されている塩素系漂白剤はそれぞれ塩素濃度が異なるので必ず確認して使用してください
保健所医師からのコメント
冬の感染性胃腸炎は、ノロウイルスが原因となることが多く、感染力が非常に強いです。ノロウイルスに対する特別な治療法はなく、症状に対する治療がおこなわれます。小児では嘔吐が多く、感染がひろがってしまわないように、おう吐物などをきちんと処理する必要があります。処理するときのポイントやコツが、相模原市のサイトの以下のURLにあるノロウイルス感染対策マニュアルにくわしくでていますので、ぜひご覧ください。
月報
月1回、市内における感染症発生状況(性感染症、薬剤耐性菌)を掲載
病原体検出情報
令和7年(2025年)5月からARI定点の病原体検出情報を更新しています。
おしえて!感染症さがみはら
月1回、気を付けるべき感染症や予防のポイント等についてまとめています。感染症予防の啓発にぜひ御活用ください。
- 今月のテーマ:感染性胃腸炎(ノロウイルス)

バックナンバー
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