令和7年度 8月定例記者会見
- 日時 令和7年8月19日(火曜日)午後2時~午後3時20分
- 場所 市役所第2別館3階第3委員会室
(市長)
【あいさつ】
皆さん、こんにちは。私がかぶっているのは、ポケモン、ピカチュウの帽子で、Tシャツはピカチュウカラーの黄色となっています。モニターには、私がピカチュウになりきって、バックパネルのイメージを再現したものを映してもらっていますが、本日はまず、宇宙に関連するイベントの一つとして、11月1日(土曜日)から令和8年1月12日(月曜日)にかけて、市立博物館において開催する企画展、「ポケモン天文台」をご紹介いたします。この「ポケモン天文台」は、全国の博物館などを巡回する形で 開催されますが、本市での開催が全国で初めてとなり、「国立天文台」と「NHKプロモーション」、「読売新聞社」、「株式会社ポケモン」と本市が連携して、開催いたします。本展示では、さまざまな特徴を持つポケモンの生態と照らし合わせることで、宇宙の不思議を楽しく学ぶことができます。展示の観覧に必要なチケットは、本日、午後4時からインターネットのほか、セブンイレブンで販売が開始されますので、多くの皆様にお越しいただき、併せて世界最高峰の本市プラネタリウムもお楽しみいただきたいと思います。
同じく宇宙の関連で、プラネタリウムリニューアルオープンを一つの契機に、さらに宇宙を身近に感じていただくため、「宇宙交差天 SAGAMIHARA」と題して、特設サイトを開設し、宇宙デザインコンテストや光の速度などで各駅から市立博物館までの距離や時間を示した宇宙スケール案内看板の設置など、宇宙をテーマとした各種事業をこれまで行ってまいりました。この「宇宙交差天 SAGAMIHARA」のリアルイベントとして、JAXA相模原キャンパスの特別公開の日程に合わせた10月11日(土曜日)、12日(日曜日)に、市立博物館とJAXA相模原キャンパスにおいて、30組以上のアーティストが展示販売を行うクリエイターマーケットや、プラネタリウムでの音楽ライブ、宇宙をイメージしたお菓子やパンの販売、宇宙アートの展示などのワクワクする宇宙イベントを盛りだくさんにお届けいたしますので、ぜひこちらもご来場ください。
次に、本市出身の囲碁棋士、芝野虎丸十段ですが、井山碁聖とのタイトルをかけた第50期碁聖戦が行われており、現在2勝2敗で明日8月20日(水曜日)に東京都千代田区の日本棋院東京本院で最終局を迎えます。芝野十段におかれましては、碁聖戦のほかにも、第50期名人戦の挑戦権を獲得しており、第51期天元戦も、挑戦権獲得に向けた決勝戦を控えているところですが、まずは碁聖位の初獲得、そして、囲碁7大タイトル2冠への復帰に向けて、72万市民とともに大きな期待を込め、全力で応援してまいります。
次に、11月1日(土曜日)、2日(日曜日)に開催される、本市出身バンド[Alexandros]主催の野外音楽フェス、「THIS FES ’25 in Sagamihara」と、市内の老舗である久保田酒造が手掛ける地酒「相模灘」がコラボした、フェス限定ラベルの日本酒を、新たなふるさと納税返礼品として数量限定で提供いたします。昨日8月18日(月曜日)から各種ふるさと納税ポータルサイトで受付を開始しておりますので、多くの皆様からのお申し込みをお待ちしております。
次に、本市では初めての試みとしまして、未使用で不要となった下水道マンホールふたを数量限定で販売いたします。販売するマンホールふたは、直径60センチメートルのものが10枚、直径30センチメートルのものが10枚で、申し込み期間は9月1日(月曜日)から30日(火曜日)までとなります。詳細は市ホームページをご確認ください。なお、申し込み期間中、販売するふたの一部を、市役所本庁舎本館1階インフォメーションコーナーに展示いたします。
さて、本日の案件は2件で、1点目が市議会9月定例会議について、2点目が有機フッ素化合物(PFAS)浄化実証試験の実施についてとなります。
まず1点目、8月25日(月曜日)から開催される市議会9月定例会議についてです。 今回は、令和6年度の決算のほか、補正予算や条例の改正などを提案いたします。令和6年度決算につきまして、一般会計決算は、歳入決算額が3,597億9千万円、
歳出決算額が3,496億2千万円で、歳入・歳出ともに過去最高だった令和2年度決算に次ぐ、2番目の規模となりました。歳入決算額から歳出決算額等を差し引いた実質収支は92億円の黒字となっており、決算の剰余金につきましては、9月補正予算において、学校施設整備事業やまちづくり事業に関する基金への積立等を計上したほか、残額につきましても、適時、的確に活用してまいります。続いて、補正予算につきましては、7月の会見でお伝えしました小中学校の体育館等への空調整備に係る経費を計上したほか、児童クラブの待機児童の解消や受け入れ年齢拡大に向けた施設整備、児童の安全管理体制の強化などを目的とした登園管理システムの導入に係る経費や、緑地や公園における樹木の伐採に係る経費、物価高騰対応重点支援事業に係る経費など、計約48億円を計上しております。このほか、主な議案としまして、相模原市立児童クラブ条例において、放課後の子どもの居場所の確保に向け、入会の対象に保護者が育児休業中の児童を加える改正や、児童クラブの安定的運営の確保を図るため、育成料を月額5,300円から6,000円に改定することなどを提案するほか、麻溝台・新磯野第一整備地区の土地区画整理事業における、道路などの基盤整備工事の請負契約の締結などをお諮りいたします。
2点目は、有機フッ素化合物(PFAS)浄化実証試験の実施についてです。PFASは、自然界ではほぼ分解されず、人体や環境中に長く残る特性を持つことから、
現在は製造や輸入などが原則禁止されており、飲用などによる人体への影響が懸念されている物質です。全国的な状況ですが、本市においても中央区を中心に、国が定めた暫定の指針値を超過している状況が確認されています。こうした状況を踏まえ、本市と包括連携協定を締結している株式会社 奥村組と道保川公園におきまして、PFAS浄化の実証試験を10月から実施いたします。この実証試験は、最先端の技術を用いた浄化実験を行うもので、私も大変期待しております。
続いていくつかお伝えいたします。まず、8月31日(日曜日)に相模総合補給廠一部返還地で実施する総合防災訓練についてです。本市では、大規模な地震災害が発生した際に、市民の皆様の生命・財産を守るため、迅速かつ円滑な災害応急対策を図ることを目的に、市民、防災関係機関、九都県市などと連携した総合的な防災訓練を毎年実施しています。今年度は新たに、外国人参加者と地域住民が協力して取り組む訓練を実施するほか、熱中症対策として例年よりも開始時間を早め、午前8時30分からの開始となります。本市の防災に関する体制・技術、そして思いを伝える内容となっていますので、ぜひご取材をお願いいたします。
次に、都市計画道路 宮上横山線の開通についてです。本市と町田市のアクセス性の向上や周辺道路の渋滞緩和、沿道地域の交通利便性の向上などを目的に、平成28年から町田市と連携して整備を進めてまいりました宮上横山線が、9月27日(土曜日)午前11時頃に開通いたします。開通に当たりましては、同日午前10時から、町田市長をはじめとした関係する皆様をお招きし、テープカットや渡り初めなどを予定しております。
最後にご報告ですが、相模原市人権尊重のまちづくり条例に基づき、本市では初めて、不当な差別的言動の拡散防止措置を講じましたのでお知らせいたします。事案といたしましては、市民等を対象としてXに投稿された、障害者を人間ではないものに例えた侮蔑的表現について、サイト運営者に対し、投稿の削除を要請したものとなり、今回講じた措置や公表内容につきましては、人権委員会の意見をお伺いし、行っております。引き続き、条例の適切な運用に努めるとともに、一人ひとりがかけがえのない個人として尊重され、お互いの人権を認め合う共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。
私からは以上です。
質疑応答
有機フッ素化合物浄化実証試験の実施について
(朝日新聞記者)
有機フッ素化合物の浄化実証試験というのは、あまり聞いたことがない取組だと思うのですが、全国的にこういうことをしているところは他にもあるのか、本市の取組というのが全国的に見てどうなのか、というあたりを教えていただけますでしょうか。
(市長)
昨年、株式会社奥村組様と包括連携協定を結びまして、私も包括連携を結んだ時にいつも言っているのは、結んで終わりではなくて、やっぱり中身のあるものにしていきたいということを常々、先方と私共の対話の中でお話をさせていただいております。そうした中で、奥村組様は今現在、リニア中央新幹線の駅工事なども携わっているところでありますが、奥村組様の方から、本市のPFASの状況等を把握された中で、先方からぜひ実証で一緒にやってみませんかとお声を掛けていただきました。おそらく先進的な取組ということでありまして、今回私たちはPFOSなどをメインに、道保川で問題になっているのですが、このPFASを取り除くという意味では、おそらく先進的な取組だというふうに思いますので、ちょっと担当からお話をさせていただきます。
(環境経済局長)
環境省では実証実験という動きはございますが、自治体では、他市で静岡市の方で事例があるというのは聞いておりまして、それ以外はないということでございます。
(朝日新聞記者)
これで何か良い結果が得られた場合、特に相模原で何ヶ所かかなり大きな数字が出ているところもありますけれども、そういうところで、除去の実際の手段として生かしていこうとか、そういう考えはありますでしょうか。
(市長)
今回、河川に活性炭とかイオン交換樹脂を用いた形で行うということで、私もちょっとまだ現地を見たことがないのですが、これから始まるものですから、この除去がうまく成功すれば、市内でもやはり不安に思われている方々も市民の方にはいらっしゃいますので、また事業者の皆さんや市民の皆さんと連携をしながら、こうしたPFASの除去に向けた取組を、本格的にチャレンジできるのではないかなと思っていますので、そういった意味では、やらないよりまずはチャレンジしていこうという、本市の精神にふさわしい取組の一つだなと思っていますので、大変ここは期待をしているところであります。
(共同通信記者)
今、お話のあったPFASの実証実験なのですが、最先端技術を用いたということなのですが、それで現地と室内と両方やるらしいのですが、もう少し具体的にどんなことをやるのかということを教えていただけますか。
(環境経済局長)
大きく2種類の実証実験を予定しておりまして、一つは、道保川公園のせせらぎの沢に、活性炭とそれからイオン交換樹脂を用いた浄化施設を設置いたしまして、汲み上げた地下水に含まれているPFASを、どの程度除去できるかというのを検証するのが1点目です。2点目は、公園内を流れる水や土壌を採取いたしまして、奥村組様の方で研究開発を進めている浄化技術のラボ試験、奥村組様の方で調査をするというこの2点が、今回の実証実験の内容でございます。
(毎日新聞記者)
PFASのことをもう少し教えて欲しいのですが、奥村組さんは、具体的に先進技術をお持ちだということなのでしょうけれども、これは全国的に見ても、かなりの技術をお持ちなのかということと、静岡でやられているのは奥村組さんなのかどうか、その辺を伺いたいのですけれども。
(環境経済局長)
静岡の方は奥村組様ではないという状況でございます。それと、奥村組様の方では、名古屋大学様と共同で研究開発を、この件についてはしているという状況でございまして、それを生かせるのではないかというようなお話でご提案をいただいたところでございます。
(毎日新聞記者)
あと、活性炭に物質が付着するということですか。活性炭を使うというのは。
(環境経済局長)
はい。活性炭でPFASを吸着し、除去する仕組みと伺っております。
(毎日新聞記者)
それから、これで良い効果が出た場合には、中央区南橋本ですか、地下水とか、その他市内で応用できるというふうにお考えでしょうか。
(市長)
現在も、南橋本の事業所からと言われているPFASに関しましては、神奈川県の温泉地学研究所と連携をしまして、現在調査を行っています。その中で、確定的な知見はまだ得られていないところでありますけれども、引き続き、神奈川県の温泉地学研究所の協力のもと、注視をしてまいりたいと思っています。
相模原市マンホールふたの販売について
(毎日新聞記者)
マンホールふたなのですけれども、マンホールカードが全国的に人気だというのは知っているのですが、マンホールふたの中古というか、販売というのは、どういった方が買われるのでしょうか。
(市長)
後ほど、都市建設局長からお話しさせてもらいますけれども、かなりマンホールマニアの方がいらっしゃるとお伺いをしておりまして、本市では初めての販売となりますが、全国的にはこうしたことも行われていると伺っていますので、マンホールカードも、そんなに多くの方は、まだご存知ない部分もありますが、ただ本当に好きな人は全国を回って、例えば今、菅野選手のマンホールふたを、サーティーフォー球場の前に設置をしていまして、私のところによく、どこに設置しているのか分からないと、かなり見に来ている方がいらっしゃるのだなと思って、それで、シビックプライド担当部長にもお話をして、今、分かるように看板を立てたのです。ですから本当に、結構全国からも、問い合わせがあったのはもちろん市民の方もいましたけれども、遠いのは福岡県の人もいましたし、それから秋田県の人からも問い合わせがあって、来たのだけれども場所が分からないということだったので、今は場所を分かりやすくしましたが、同じようにマンホールふたもマニアの方がいらっしゃるのでしょうから、そういった方を対象に販売ができればなと。これによって、相模原市のシティプロモーション、シビックプライドの向上にも繋がるのではないかなと思います。
(都市建設局長)
大体市長がおっしゃったとおりなのですけれども、マンホールふたは意外と人気がございまして、本当に好きな方、全国各地で買われているというふうに伺っております。全国的には、マンホールサミットみたいなものまで開催され、かなりの数の方が来訪されているということなので、こういう機会でもないと、なかなか我々、処理場も持っていませんので、こうした取組を通じて、下水道の取組、市民の皆さんにも触れるきっかけになっていただければなという思いで、こういう取組をさせていただいた次第でございます。
(毎日新聞記者)
他所の自治体も何例かやられて、販売をされて、かなりの競争率で売っていらっしゃるという実例が幾つかあるのですかね。
(下水道保全課長)
他市の事例ですけれども、応募数が10枚売った時に、1件のものもあるのですが、概ね4件から6件、多いものだと8件という事例がございます。こちらは龍ケ崎市です。
(都市建設局長)
調べたマンホールふたの販売の事例ですけれども、愛知県の一宮市、茨城県の水戸市、埼玉県の寄居町、神奈川県の逗子市、愛知県の豊橋市といったところで、取組事例があるのは我々の方でも把握してございます。
ポケモン天文台について
(読売新聞記者)
ポケモン天文台について、ちょっと教えていただきたいのですが、どういうような展示をされて、それにポケモンがどのように関係するのかというところを教えていただければ。
(市長)
今日、先ほど私も、実際、ポケモン天文台はどんなことをするのという話をして、無料だと思ったらお金もかかるのですよね。大人は前売り券で1,500円、当日券で1,600円ということで、かなり高額なのだなというふうに感じたのと、それから先日、長崎の平和記念式典に行った際に、長崎のスタジアムにお邪魔したら、ちょうどポケモンの展示をやっていまして、そこは無料だったので、ちょっと入ってみたのですが、かなり人も来られていて、ポケモンはこんなに人気があるのだなと思いました。私も実は先ほど秘書課でポケモンの漫画を見せてもらって、これがピカチュウですとか、ちょっと勉強したところでありますけれども、実際どんな形でやるのかということを聞いたのですが、まだ配置図ぐらいで、詳しくは分かってないのですよね。
(生涯学習部長)
内容につきまして、まだ詳しいことはお知らせすることができない、私達も把握していないところなのですが、概要としましては、様々な特徴を持つポケモンの生態と、宇宙の不思議を照らし合わせることで、ポケモンの世界へ冒険に出るような感覚で、未知が広がる宇宙への探究心を育むことができる展示を開催するということを、伺っているところです。
(市長)
もう少ししないと、具体的なお話ができないのかもしれませんね。ただ全国初なので、ぜひ取り上げていただければと思います。
小中学校空調設備整備事業について
(神奈川新聞記者)
2点質問させてください。まず1点は、エアコンの整備の事業費、市の直接工事が19億円とリースが約70億円で、計全体で89億円が盛り込まれるということですが、これの市長の受け止めを、お考えであったりとかを教えてください。
(市長)
令和元年東日本台風の被災に遭いまして、改めて避難所、避難場所になる屋内運動場、体育館の空調設備というのは非常に大事だなというのを、令和元年の台風の時に感じました。あの観点でいうと、防災の観点で、やっぱり避難所や避難場所になる場所に関しては、空調設備が必要だなという思いの中で、教育委員会、そして危機管理局とも、皆さんで連携をしながら、まずは防災の観点で、市内22地区あるものですから、まず(各地区)1カ所、小・中学校ないし義務教育学校、1カ所の屋内運動場に空調をつけようということで、今年度までに22校、終わる予定でございます。そうした中で、やはり教育長とも常々話しているのは、子どもたちの学ぶ環境面、それから先生方が教育する場である学びの場の中で、やはり暑い時にもう耐えられない、今、夏で屋外プールが中止になってしまうぐらいの時期でありますから、いやプールが中止になるというのはね。私も朝の見守り活動で、小・中学校に行くのですけれども、「今日は晴れてプールあるのですか」なんて聞くと、今日は暑すぎて中止かもしれないと言われて、「ええっ」て、そんな感覚でいたのですが、それがやっぱり室内に居るともっと暑いですよね。ですから、まずは22校、体育館を先行して屋内運動場をやりましたが、普通教室の、過去に設置したここで交換をしなければいけないものとか、特別教室、ここは少し課題になっていましたので、できているところと、できていない学校がありました。ここをしっかりやっていこうということと、やっぱり避難所になる屋内運動場を全てやっていこうということで、なるべく早くやろうということで、教育長が文部科学省などに随分かけ合っていただいて、直工方式かリース方式かということで、私はなるべく地元の事業者さんが競争の中で取っていただく形で、直工方式が良いのではないかという話もしたのですが、リース方式が実は国の予算が下りないのですね。そういった中で、教育長自らが随分通って文部科学省ともかけ合ったのですが、最近ちょっと、石破総理が先々週あたりですかね、学校の空調設備に関して少しお話をされていましたが、ここで少し変わる可能性もありますけれども、現段階ではリース方式は予算が国から出てこないということでありましたが、直工方式で長い間、令和15年までかかるのですが、これをやるのか、それともリース方式を併用して、短く令和10年までで終わらせるのかという選択になった時に、やはりこれは教育長とも話をして、子どもたちの安全・安心、先生方の環境ももちろん当然でありますが、必要だということで、そこはしっかり、まずはリース方式と直工方式とを併用した形で、令和15年から10年に5年間圧縮されるのと、しかしながら、工事費がプラス18億円、【直工方式のみでの整備】よりかかるわけですが、そうであったとしても、子どもたちの安全・安心を1日も早く、守っていこうというところで、教育委員会の皆さんが非常に熱心に議論いただいたものですから、私はこれは非常に教育長のリーダーシップが、教育委員会の皆さんとともに進めていただいた大きな成果だなと思っていますので、大変高く評価をしています。
相模原市立児童クラブ条例の一部を改正する条例について
(神奈川新聞記者)
2点目、児童クラブ条例の改定で、育成料を20年ぶりに5,300円から6,000円に上げるということで、ちょっとこれで児童クラブを利用しづらくなる家庭も出るのかなと思いますが、受け止めを聞かせていただいてもよろしいでしょうか。
(市長)
平成18年に育成料を値上げして以来、19年ぶりの値上げになります。これまでも議論はした経過はあるのだと思いますけれども、やはり物価高騰をはじめ、私たちも、国、県、市、そして利用者の皆さんの負担をいただいて、この児童クラブを運営しています。そうした中で、これまで大体34パーセントぐらいの利用者の負担だったのですが、この6,000円にすることによって、約40パーセントとなりますけれども、プラス700円ですかね、確かにこれは、値上げということは大変利用者の皆さんにご負担を強いるわけでありますが、やはりこれは長く継続していくには、例えば施設の老朽化もあるし、物価高騰もあるし、それから例えば電気代なんかの高騰もありますから、様々な点で、ここは私たちもしっかり利用者の皆様にご説明をして、ご理解をいただきながら、取組を進めていきたいと思っています。ただ本当に、値上げしないことが一番、負担がないとは思うのですけれども、先ほど言ったように、国、県、市、そして利用者の皆さん、特に国の基準では、利用者の皆さんの負担は、【運営費の】二分の一と言われていますから、今ここで40パーセントに利用者負担がなりますけれども、私ども相模原市としては、まだ50パーセントまで至っていない部分があります。これは50パーセントまで上げると7,700円になるのです。そういった意味では、今回6,000円という、ちょっと厳しい数字かもしれませんが、利用者の皆様にもご理解いただき、子どもたちにより環境の良い形を作っていきたいと思っていますので、丁寧にご説明していきたいと思っています。
ポケモン天文台について
(テレビ神奈川記者)
ポケモン天文台の件について、全国初の開催が決まった今の所感をお聞かせください。
(市長)
日頃から、JAXA相模原キャンパスがございまして、これまで、はやぶさ、はやぶさ2、SLIM、XRISMといった様々な成果を上げてきた、世界が注目するJAXAが目の前にあって、私ども市立博物館がございます。今回、世界初のプラネタリウムを市民の皆様にご披露させていただくことができましたから、宇宙を一番身近に感じられるまちとして自負している相模原といたしましては、今回、ポケモンとコラボできたことは、非常にワクワク感が湧いてきて、世界各国から多くの来訪者がお越しになるのではないかなと思いますので、「宇宙を身近に感じられるまち さがみはら」を知っていただき、さらにまた希望を言えば、足を運んでいただいて、都市と自然のベストミックスである市内各地域を巡回していただくと、大変嬉しく思います。そういった、相模原市を知らなかった方々が、相模原市を知るとても良い機会だなと思っていますので、ポケモンの皆さんにも感謝しながら、私たちもポケモンと一緒にコラボしながら、取組を進めていきたいと思っています。今からとても楽しみです。
美術館基本構想について
(朝日新聞記者)
2つお尋ねいたします。1つ目は、今開催中ですけれども、終戦80年の催しとして、相模原駅の市民ギャラリーで江成常夫先生の写真展が開かれているのはご存じのとおりだとは思いますが、その内覧会の席で、江成先生の方から、約20年前に写真をメインにした美術館構想というのを、当時の市長さんと話し合って、それで自分も写真の寄付に応じたと。しかしながら20年経って、一向に実現の兆しがないし、とりわけ先日、相模原駅北の相模総合補給廠の(一部)返還後の(土地)利用計画(案)が出た際に、そこにも全く美術館に類する施設の言及がなかったと。それに対しては、大変怒っておられまして、改めて、相模原市としては、市政上の課題ではありますけれども、その美術館の計画について、どういうふうになっているのかというのが1点目。それと、もう1点ですけれども、これは先日、市の方から発表があった件ですけれども、中学校の学校給食の全員喫食、温かい給食を皆さんで召し上がることができるようにするという取組の計画が、その施設の一つである南部センターの方で、焼却灰らしきものが出てきたということで、工期が延びるということになった、これによって予定した時に、同時、市内一斉というスタートが難しくなってしまうということで、そのことについて、市長は、かねてより給食の全員喫食については、非常に精力的に取り組まれていた中で、言わば、ちょっと予定どおり進まなくなったことについての所感をお尋ねしたい。以上、2つお願いします。
(市長)
まず、江成常夫先生の、現在、展覧会が行われておりまして、私も二度ほど足を運ばせていただきました。8月24日まで開催ということでありますので、あともう1回、お邪魔したいと思っています。写真に込められた思いは、やっぱり戦争で犠牲になられた方々への鎮魂の思いと、それから、世界の恒久平和を願う、江成先生のメッセージだなと思っています。特に人物像、お一人おひとりの、やはり物語というか、ドラマがあるのだろうというふうに思っていますし、本当にアップされた個人のお顔を見るとそう思います。それから、沖縄のガマなんかの写真を見ますと、これは本当に、今ではこんなことが起こり得るのかなというようなことが記録として残されていますので、戦争を知らない私たち世代が、私も今年は終戦80年、広島、長崎の平和祈念式典に行ってまいりましたけれども、また8月15日にも、江成先生のこの展覧会にお邪魔をして、そしてそのあとはまた慰霊祭に出席をさせてもらいましたが、改めて戦争がない平和な社会を作っていきたいという思いであります。そうした中で、江成先生から、私も市長に就任して7年目になりますが、これまでランチミーティングをしたり、面会をして、また各会場でお話をさせていただいておりまして、これまでの相模原市の経緯等を学ばせていただき、ご指導、ご意見をいただいてございます。そうした中で、平成28年5月に、相模原美術館基本構想というものを、(美術館の)二館構想を打ち出しておりまして、一館は、美術館橋本ということで、アートラボはしもと、これは令和9年にアリオ橋本さんの中に新たな形で生まれ変わる予定でございますけれども、江成先生の言っている写真や絵画などを含めた相模原美術館、当時で言うと、その基本構想では、相模総合補給廠の跡地にということで記載があったというふうに思います。令和3年の行財政構造改革プランで一時凍結をさせていただき、先生からも様々なご意見をその際に賜りました。しかしながら、当時私も、やはり今、美術館を作るとか、もちろん無いより有った方が良いし、これも文化・芸術の、市民の心の拠り所としても美術館はあった方が良いと思うけれども、今ここで先生に、すぐ建設できますと約束はなかなかできないのですという話をしまして、一時凍結をさせていただいていました。ご承知のとおり、ここで行財政構造改革プランは終焉を迎えて、新たな方向を見出す、そういった中で、また美術館構想の議論はやっていかなければいけないと思っています。江成先生が、確か平成14年ぐらいに、市と覚書をしたという紙をお持ちなのですね。私は大変失礼かもしれませんが、先生にこれは覚書と言うには、ちょっと覚書ではないのかもしれませんねという話をして、大変お叱りもいただきましたが、ここでまた新たに結んで欲しいという話もいただきました。行財政構造改革中だったので、それは今、ここではお約束できませんという話をさせてもらいましたが、今後、行財政構造改革が明けて、どのような形で市民の文化・芸術振興が図れるかという中で、美術館構想というのもやっぱり一つの議論の中心なってくるというふうに思いますので、今後、そういった意味では、また庁内、また市民の皆様のご意見を聞きながら、議論を展開していきたいなと思います。また私は、この江成先生が、先ほど言ったように、戦争がない、恒久平和を願って写真を撮り続けられている姿に対して、大変敬意と感謝を持っています。ああいった活動家の方がいらっしゃらないと、私たち戦争を知らない世代は、本当にやっぱり写真というのは記録、記憶に残っていくわけでありますので、歴史を次の世代に継承する、非常に重要なものだと思っています。そういったものを、2,000点余り、市に寄贈いただいていますので、その活用に関しても、先生からも自分が存命中に方向性は知りたいという話も、常々お言葉でいただいていますので、それに応えるように議論をしていかなければいけないなというふうに思っていますが、ただこの場で美術館を作りますという話はできませんけれども、ただ先生からいただいた一つのボールというか、投げられている球は、非常に重いものだというふうに思っていますし、当時ですね、市の幹部がどのような約束をしたか、私はちょっとその場にいませんから定かではありませんけれども、やはり市民の皆様の期待を裏切るような行為や約束というのは、これはしっかり気を付けていかなければいけないなと思います。これは先人の皆さんに対しての批判ではありませんけれども、やっぱり今後、私たちもしっかりこのことを戒めて、できることはできる、できないことはできない、そして、これは目標とか夢ですよという話はしっかりと分けてお話しないと、まるで江成先生に美術館ができるようなお話をしてきたようなことを、先生自身も感じていらっしゃるというふうに言われていますから、行政としてはそれは言っていないというのもしれませんが、ただ聞いている方がそう思うのならば、やっぱり行政の方にも責任があるというふうに思いますから、今後やはりそういった、江成先生をはじめとする芸術家の皆さんやスポーツ選手も、市民の皆さん一人ひとりもそうでありますが、裏切りがあってはいけないと思うのです、行政は。ですから、そういった意味では、私は、今はできないという話をしていますけれども、今後、行財政構造改革が明けたので、こうした議論もしていかなければいけないのだなというふうに自覚はしています。
(朝日新聞記者)
今はできないということなのですね。
(市長)
今すぐは、やっぱりできないと思います。それは、やはり美術館を造れば、建設だけで終わるわけではなくて、毎年のランニングコスト、維持費がかかってまいりますし、また【芸術家】の皆様からも、私ども相模原市に関しましては、文化芸術に対する振興予算は、毎年度、予算はアップしていますけれども、例えば絵画の方々から、私達が描いた絵をもっと収蔵していただきたいというお話を強くいただいていたり、それから、学校の廃校になった跡地で良いから、そういったところを使って保管をしてもらったり、展覧をしてもらったりできないのかと。今、私が卒業した相模原市立の桜台小学校があるのですが、2教室くらいを使って、桜台美術館というものをやっていまして、元校長であった竹内先生が中心となってやっているのですが、とても素晴らしい、私は、文化・芸術の振興だなと思っていまして、お声がけいただいたらほぼ毎回行っています。立派な美術館ができるかどうかは別としても、今後、例えば教育委員会、教育長とも相談をしながら、廃校になった学校とか、あとはクラスが減っている過小規模校の教室を使って、そうした展示をさせていただくとか、担当の文化振興課に言わせてみると、温度とか湿度の調整が難しいというのですが、絵画の人たちは、あんまりそれは関係ないよと言われるのですね。そういったものも、もう少し膝を突き合わせて、お話をして、ただ単に新しいものを造れば良いという話ではなくて、今ある既存の施設を使って、リノベーションしながら使っていくというのも一つの手だなと思っていますので、あらゆる検討を、石井副市長が文化担当でありますので、石井副市長、それから市民局長のところでまた議論しながら、教育委員会とも連携して、しっかりとまたこれは議論していきたいなと思います。
(仮称)南部学校給食センター給食提供開始予定日の見直しについて
(教育長)
今回、旧東清掃事業所の旧焼却施設から焼却灰と思われる廃棄物が出てきましたが、私も最初一報を聞いた時、先月になりますけれども、非常に驚きまして、ただ確認をしてみると、約50年前の昭和51年に解体していて、今現存しているわけではなく、地下にピットがあるというのは分かっていましたが、そういうものが出てきたということで、これが今度分析にかかった時にどうなるのかということで、それは今、分析中でございますが、先週、学校給食の本部会議を開いて、本市の場合、二段階方式で、北部と南部、開始時期を分けて、北部については予定通り令和8年の12月、それから南部につきましては、焼却灰の中身がわかり次第、新たに工程を組み直して、皆様に開始時期をお知らせすると、この二段階方式でいこうと。それから、給食提供を全員喫食までの間、南部の17校については、デリバリー給食をそのまま継続するということを今、決定したところでございます。非常に今回の件については残念だなというのが、私の所感になります。
(朝日新聞記者)
市長から何かありますか。
(市長)
教育長と思いは同じでありまして、今回、担当課が私のところにお詫びに来たのですが、謝る必要はないと言ったのです。これは、【約50】年前の昭和【51】年に解体した当時の構造物の中に焼却灰らしきものがあるだろうということで、お話をいただいたわけですが、ここは丁寧に、しっかりと地に足をつけて、まずは対応を行っていこうと。学校給食を先送ることは、それはとても教育長と同じように残念でありますけれども、まずはこれ食ですし、命の安全・安心の場所でもありますから、そういったものに影響がない、心配がない環境をまず整備してからスタートすれば良いのではないかという話をさせてもらいました。7月7日に事業者から報告があった時に、私も驚きましたが、しっかりと地域の自治会の皆さんや、それから地域周辺の住民の皆さん、市議会の皆さんにも公表させていただきまして、そういった中では、皆様からも一定のご理解をいただいたと思っています。今後も、中学校の全員喫食に向けて、まず北部の令和8年12月、これを必ず、この時からスタートできるように、まずは北部にしっかり注力をして、そして、今回の問題がクリアした後には、南部も1日も早く、全員喫食ができるように、温かい給食が食べたいという子どもたちの声に答えられるように、取り組んでいきたいと思います。
(朝日新聞記者)
実際、中学校2年生の生徒さんたち、今、2年生の生徒さんたちが間に合うか、間に合わないかというタイミングで、おそらく相当な期待もあったと思います。今、給食を待っていたけれども、食べられなくなるだろう、南部の2年生の中学生たちに対して何かお言葉があればお願いします。
(市長)
私も期待の声を随分いただいていまして、何年生と聞くと、中1です、中3です、中2です、と言われた時は、皆さんが中学3年生の12月になったら卒業前だけど温かい給食が食べられるからね、と言ったら、みんな喜んでくれていました。ですから、非常に期待に応えられなかったことは、ここは私が責任者として、教育長ともども、お詫びをしなくてはいけないなと思っています。本当に期待していた皆さんには、ちょっと残念でありますけれども、でも、今の1年生、それから今度入ってくる新1年生などの後輩の皆さんには、その分、地産地消でおいしい給食を提供できるように、全力で市として、教育委員会とともに取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ、高校生になっても、この中学校給食を食べる機会を作っていければなというふうに思っていますので、機会があれば、食べに来てもらって、やっぱり高校生の弁当も良いけれども、やっぱり給食良かったなと思い出していただけるような機会も作れれば良いなというふうに思います。
(朝日新聞記者)
給食センターの全員喫食を目指した給食のあり方を探る様々な審議をされていた過程の中で、かねて南部センターについては、立地についてちょっと不安を訴えている委員の方もいらっしゃったようですし、それからパブリックコメントを改めて見返すと、懸念というのはあったようです。それ見たことかというようなことを言うつもりはないのですけれども、場所の選定に関して、後悔というか、あれで良かったというふうにはお考えですか。
(教育長)
今のご質問ですが、場所の選定については、給食センター方式でいくと決まった段階で、一定の面積が必要なこと、それから調理から喫食まで2時間以内でおさめること、こういうことを考えた上、あとスケジュールも考慮した中では、旧東清掃事業所しかなかったと、南の方は。北部の方は場所がなかったものですから、私が県の教育委員会の方へ行って、相模原総合高等学校が廃校になったので、そこのグランドの一部を買いたいという申し出をして、北部南部が決まった経過があります。ですから、そこの場所の選定について、後悔がなかったかと言われても、後悔がなく、もうそこしかなかったというご説明になります。
(市長)
おっしゃるとおり、私たちも後悔なく、一番最短で最適で、そして、市の予算も豊富にあるわけではありませんから、限られた予算の中で、私有地も含めて探しましたが、やっぱりあの場所が一番良いだろうということで、地域住民の皆さんからは、最初は学校給食センターができることにちょっと色々ご意見も賜りましたけれども、場所的にはもうみんなで話し合って、あの場所だって決めていきましたし、特に北部の方は、教育長が神奈川県教育委員会や神奈川県の職員の皆さんと向き合って、ひざ詰めでお話をしてまいりまして、かなり私たちには良い形で購入することができたと思っていますので、そういった意味では後悔はなしですね。
防災普及啓発アドバイザーについて
(読売新聞記者)
今回、防災普及啓発アドバイザーのポストが設置されまして、国土交通大臣から気象防災アドバイザーの委嘱を受けている加納さんという方が委嘱をされたわけですけれども、今回、こういったポストを新設されるにあたって、なぜ今、このポストを設置されたのか、そして、どのようなお考えで設置されたのか、今後の市民に対する防災面での啓発がどのように変わっていくのか、どのような面でどういうお考えなのか、お聞かせ願えればと思います。
(市長)
防災対策スーパーバイザー制度というのは、私の2期目の選挙公約で入れさせていただいております。その中でやっぱり令和元年東日本台風、私が市長就任して1年目、10月12日の発災で8名の方を失った災害がございました。あの風水害の時を思い出すと、雨が止んで、市内の状況等、大きな災害がなかったという思いでもあったのですが、しかしながら、日を空けて朝になると、お亡くなりになった方、行方不明の方、土砂災害があったということで、私もそれからほぼ毎日現場に出て行って、被災された皆さんや被災現場を視察させていただきましたけれども、やっぱり市長になって一番の経験は、令和元年東日本台風で8人の方を失ったという災害、それから、昨今の能登半島地震もそうでありますけれども、非常に地震の切迫性が、南海トラフ、首都直下型地震といったものが多くありますし、線状降水帯といって突然雨が降って、私もちょっと昨日まで種子島に行っていたのですけれども、テレビがほとんど映らなかったので、帰りがけ、ちょっと空港でテレビを見ていたら、ここでこんなに雨が降ってとか、あと昨日も羽田から帰って来る時に、雨が急激に降って境川の嵩が増したというような防災メールが入ってきたりとかして。東京の羽田空港からの距離で、こんなにも違うのだなと。町田市に入ってきても、町田市も雨が降っている様子はないし、本当にこれは雨が降ったのかなと。どこでどんな雨が降るか分からない状況でもありまして、やっぱり72万市民誰1人取り残さないということを日頃言っている中で、やっぱりこの防災のスーパーバイザーという形で、今回加納さんを防災普及啓発アドバイザーとして、気象予報士としてのご経験もございますので、キャスターもやっていたようでありますし、お会いした感じも、危機管理局からもとても知見がある方だと聞いていまして、私もお会いした感じはとても安心できるなと。とても熱心で、相模原市にも友人が居てよく来るらしいのですね、だから相模原の地形もよく知っていました。こういう相模原の地形を知っている、例えば南区に住んでいて、緑区の状況というのは分からない方もいるし、緑区に住んで南区の状況が分からないように、結構市内はそれぞれ違いますから。そういった意味では、加納さんはかなり自分で車に乗って来られるということもありましたから、随分違うのだな、色々ご存知なのだなということで、ちょっと安心をしています。それから、防災訓練の専門アドバイザーというのを、この4月から各区1名ずつ置きました。これは私は、防災訓練というものをもっと細かく、より多くやって欲しいということを、危機管理局に常々言っています。例えば8月31日の総合防災訓練のような、九都県市合同の大きな防災訓練もこれは必要です。ただやっぱり必要なのは、本当に地域の皆さんの顔の見える関係で訓練をしていくことが大事だなと思いますし、私もこの前ここでAEDを、前回(の会見で)やらせていただきましたが、あのAEDも私も年に1、2回やっていますが、やっぱり1、2回やっても忘れますよね。これは本当にこっちのパッドで良かったのかとか。だから、常々やっぱり訓練、予防ですよね。やっぱり大事だなと思っていますから。危機管理局に言っているのは、とにかく今、単一自治会が500を超える数があるのですが、できれば年間500回ぐらい単一自治会でやれないのかなという話をしていまして。それには、例えば相談があったらお祭りの時に一緒に防災訓練できないかとか、自治会長さんから相談受けて、消防の方で駄目だと言われたのだけれどもと相談があったりして、実際できるようになりましたけれども、色々な機会を得て、防災訓練をしていかないと、なかなか防災訓練だけで集まってくださいと言っても人が集まらないような時代だということを会長さんたちから言われていますので。ですから私は小さく細かく多くやってもらいたいなと思って、防災訓練の専門アドバイザーというのも、各区に1名ずつ、これは消防局のOBの方々になっていただいていますので、非常に知見も優れた方々なのですね。実際に自治会なんかも結構相談に行かれているそうですから、これでやっぱり細かく小さく、大きくではなく、小さく数多くやりたいなというのが私のずっと思いでありましたので、そういった意味では今回スーパーバイザー制度を導入できて良かったなというふうに思います。今度これはできて終わりではなくて、生かさなければいけませんからね。例えば台風が来そうだ、雨が来そうだという時に、危機管理監が私のところに来て、米軍の発表はこんな図になっています、気象庁はこんな絵ですというものを持ってきて、どちらも大体同じような方向であるけれども、たまに違う時もあるのですが。やっぱり我々も、常にそういった72万市民の命を守る中で、危機管理というのを意識しなければいけないなと思っていますから、そういった意味では私も、県議会議員、国会議員をやっている時はそういった意識は薄かったなというふうに思っていまして、市長になって、改めて色々なことを学ばせてもらって、72万市民の命を守るということは、やっぱり常々こういうアンテナを高くして、防災意識も持っていなければいけないなということを職員から学んでいます。これもぜひ、最高に活躍できる環境を作って、72万市民、誰1人取り残さない形を作っていきたいなと思っています。
美術館基本構想について
(毎日新聞記者)
戦後80年ということで2つ大きく伺います。1つは先ほどもありましたけれども、江成さんの件で補足的に伺います。内覧会は新聞各社取材に来ておりまして、私もおりまして、その後江成さんから、取材のお礼の手紙をいただきまして、場違いな発言をして失礼しましたというようなことも書いてありました。江成さんも、同程度の政令指定都市、人口とか予算規模のこともおっしゃっていらしたと思うのです。私もそれを伺って、ちょっと自分なりにホームページで調べてみたら、静岡とか、新潟とか、あと浜松とか、人口70万前後の自治体は市の美術館を持っておられますね。そういう状況もあります。それから、市長も行かれたことがあるかもしれませんが、横浜のそごう美術館、あそこはデパートの中にありますね。例えば東京だと、サントリー美術館なんていうのも、ミッドタウンの六本木の、昔防衛庁だったところ、あそこのミッドタウンにありますね。同じ六本木でも六本木ヒルズの森美術館とかも箱物ではなくて、ビルに入っている形ですね。例えば、アイススケート場とか、新たに箱物を作らなくてはいけないものではなくて、テナントみたいな形で入るという、そういう美術館もいくつかあると思うのですね。ランニングコストのことは確かにあるのでしょうけれども、新たに箱物を作らないでも美術館というのはできるのではないかと。それからリニア中央新幹線が開通すれば、非常に相模原の知名度もアップしますし、そういった面で、今後、市長あと1年半、今期中に何かその美術館構想の新たな議論が進むというふうに考えてよろしいのでしょうか。
(市長)
指定都市で美術館がないのは唯一本市だけでありまして、例えば、ないものづくしでいうと、動物愛護センターもないですし、市立病院もない、市営バスもない。かなりないないづくしなのですね。その中でないからといって、他の政令市があるからうちが作らなければいけないということはないと思っていますが、ただ美術館に関しては、やはり文化・芸術の振興の拠り所の1つでありますから、これは72万市民の皆さんにとっても大事な拠点だなと思っています。その中で、実は今言われたように例えば森ビルの中に美術館があったり、ミッドタウン中にサントリー美術館があったり、そういった考え方もあるなというふうに思っていまして、実は市内のいくつかの企業の方々が新設をする時に、美術館を入れてもらえないかなんて話は、実はいくつかしたことがあります。言われたように、箱物を自ら作らずにテナントで入るというのも一つの手だと思っていますから、そういった手法もさっきの、例えば廃校になった学校の跡地と同じように、検討の一つではないかなと思います。それからあと任期は1年半でありますから、そういった中、1年半で方向を決めるかどうかは、ここでは約束はできませんが、議論は進めていきたいと思います。これは先日もお話したスタジアム構想もそうなのですが、私たちもスタジアムを諦めたわけではありませんし、すでにギオンのスタジアムも手一杯のところでありますので、やっぱり人工芝ではなくて、天然芝ですよね。天然芝というのは養生があって、かなり採算を取るには難しい。例えば野球場でいうと、人工芝グラウンドではないですか。年中回せるけれども、やはり天然芝になると、養生期間があったりして、先日も長崎のスタジアムとか広島のスタジアムを見てきましたけれども、中に入れない、試合がなくても、養生しているから。ですから、そういった意味ではスタジアムなんかも、天然芝で今ギオンスタジアムがありますから、もう一つの、例えばスタジアム構想を考える時は、天然芝でいくのか、併用でいくのかとか、ちょっとそういうことを考えていきたいなと思いますけれども。いずれにしても、1年半の任期で、私も美術館以外にもたくさん議論しなければいけないことがありますけれども、今日は、毎日新聞さんや朝日新聞さんからも大事な指摘をいただいているなと思っていますし、江成先生のメッセージはとても重く受け止めています。本当に一言ひとことがいつも重いお言葉だなと思っていますので、私も大分この間、本当にご指導いただいて、お叱りもたくさんいただいてまいりましたけれども、でも言われたことを本当に、ここはしっかり真摯に受け止めて常にいますので、この議論に関しましてはまた1年半の間に、どのぐらい進めるか分かりませんが、可能な限りやっていきたいと思います。その一つとしては、例えば相模総合補給廠一部返還地の新しい業務系のところに美術館を持っていくとか、(そういった)可能性だってあるのかなというふうに思っていますので、そこは今後1年半の中で、しっかり議論していきたいと思います。
(毎日新聞記者)
町田に版画の美術館があるのですけれども、相模総合補給廠一部返還地のところのビルにでも入れば、よく観光地に行くと複数の美術館とか、そういうところの共通券がありますよね。2館共通鑑賞券みたいな。町田と相模原が同じ横浜線で動いて、そういうのができたら良いなんてちょっと空想もしますけれども。
(市長)
良い発想だと思います。私はもっと言うと、私の持論は1市に一つの、例えば美術館とかスタジアムがある時代ではないと思っています。これは私の持論ですよ。例えばゼルビアさんとSC相模原で一つのホームタウンのスタジアムがあったら良いなという思いを、ずっと国会議員の時代から思っていましたから、そういった意味では2館あれば2館の行き来、よく温泉巡りもあるではないですか、温泉行くとね。たくさん色々なホテルを回れるようなチケットもあったりしますからそれも良いし、これからの自治体の運営というのは、人口も減っていきますから、例えば東京の八王子市、町田市と相模原市で動物愛護センターがないのですね、3市の中には。動物愛護センターをうちで作って、町田にも八王子にも使っていただこうというような、例えば都県境を越えた連携なんかも今後必要だなと思っていますから、そういった形で今後運用していかないと、なかなか1市に一つの箱物とか、ものを造るというのはなかなか大変な時代になってきていますので、そこはもう地域間の連携協力、ここが大事だなと思っています。
戦後80年について
(毎日新聞記者)
あと戦後80年ってことで、もう一つ。8月6日に広島に行かれて、広島で8月6日を迎えられた。それから、長崎にも9日に当日行かれたのですよね。その原爆の日を現地で過ごされた、ご感想、ご心境を伺いたいです。
(市長)
やっぱり被爆した方々の、語り部をされている方々が年々いなくなっています。そういった中で、やはり世界で初めて原爆が投下されたのが広島、そして世界で最後の原爆を落とされたところが、長崎としなければいけないという思いを強く感じまして、今、【核兵器は1万2,000発を超える】数が世界にあると言われているのですが、本当に原爆のない世界を作っていかないといけないなという思いと、本当に被爆した方々が、江成先生の写真もそうでしたけれども、やっぱり普通の日常の暮らし生活が奪われるような戦争、特に原爆の、本当に一瞬にして、命、生命、財産がなくなるようなことが今後あってはいけないと思いますので、二度と同じ繰り返しをしてはいけないという誓いを、改めてさせてもらいました。また、日本政府においても、やはり取るべき行動は、強く世界にアピールしてもらいたいなという思いでありますので、私たちもそういった意味では、被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞されましたよね。あのことをやっぱりしっかり重く受け止めて、また後世に繋げていかなければいけないなと思っていますので、戦争は勝った方も、負けた方という言い方は良くないかもしれませんが、両方とも幸せではないと思います、いずれにしても。ですから戦争をやらないことが一番だというふうに思いますので、武力行使とか戦争、紛争というのは1日も早く世界からなくなることを願うばかりです。
美術館基本構想について
(東京新聞記者)
ちょっと毎日新聞さんとも重なってしまうのですが、また江成先生の話で、先ほど平成14年の覚書、これについてはそうではないのではないかと思う、というふうにおっしゃられたその根拠を教えていただきたいのと、一方では江成さんが一定の思いを持っているならば、行政にも悪い部分があったのではないか、それを反省しなければいけないというような話がありましたけれども、であるならば、江成さんに対して、これから、いや、もしくは今現状ですけれども、どういった説明をされているのか、もしくは、これからされていくお考えがあるのか、お聞かせください。
(市長)
江成先生とは何度もお会いする中で覚書を見せていただき、私はちょっと手元にありませんが、どこがどうだというふうには言えませんが、江成先生にも直接、失礼かと存じますがと言いまして、これは過去の先輩方が書いたものかもしれませんが、覚書という形ではないのではないかなと私は捉えますよと話しました。だったら今の市長で書いてくれと言われたのですが、今私は行財政構造改革で凍結中の美術館に関してここで書きますということはできないけれども、私は先人の方々が、江成先生に対してあれは覚書だというふうに説明した行政の責任はあるというふうに思っています。どう見ても、多分行政サイドから見れば覚書ではないというふうに思いますから、あれを覚書だというふうに信じ込ませて説明した行政に責任があると思いますから、その点はお詫びをしなければいけないと思います。当時ちょっと誰の名前で書いてあったか分かりませんけれども、おそらく行政サイドが見たらこれはちょっと。見たことありますか、ご覧になったことございませんか。江成先生に言えば多分お持ちだと思うのですが、なかなかこれは、例えば、私たちが継続して、これ覚書だというふうに繋げていくにはちょっと厳しいものだなというふうに思いましたので、率直にお話をしたところ大変お叱りをいただいて怒られましたけれども、でも私も職員にも言っているのです。江成先生がそう思い込んでいるのは、少なくとも私たちの先輩たちがそう説明してきた経緯があるから、今、江成先生がそう思われていらっしゃるわけですから、やっぱり行政というのは公正、平等、透明でなければいけないわけでありまして、例えば、どんなに有名なスポーツ選手、どんなに有名な芸術家であっても、もちろんそれは敬意を表しますが、72万市民の1人として、皆さんと平等に扱わなければいけない部分もあります。ですから、相模原はよく行政は、色々なスポーツ団体からも融通が利かないとよく怒られます、私もあちこち行っている中で。でもその融通利かない中でも良いと思っています。それは市民に対する信頼の一つだと思っていますから。しかしながら、この江成先生に対する覚書であろうと言われている平成14年のものは、本当に当時、江成先生に美術館を造るような期待を持たせてしまった、約束してしまったようなことは反省をせざるをえないなと思っていますから、そこで今お話があったように行財政構造改革もここで終わりますけれども、その行財政構造改革の精神を引き続き持ちながら、平成28年5月のこの相模原市美術館基本構想に立ち返って、さっき言った橋本の美術館、アートラボは令和9年にできますから、もう一つの相模総合補給廠跡地の相模原美術館に関しての議論というのはここでやっていかなければいけないなというふうに思いますので、それが任期1年半の中でどこまでできるかというのもありますけれども、今日もまた記者の皆さんからご指摘や、またアドバイス等をいただいたというふうに思っていますから、江成先生の思い、そして芸術家の皆さん、江成先生だけではなくて芸術家全ての皆さんの思いを形にできるようなことができるのかどうか、これはまた今後議論していきたいなと思います。
※質疑応答中の重複した言葉づかいや明らかな言い直しなどは、整理した上で掲載しています。
※質疑応答中の市長回答【 】の部分は広報課で修正しています。
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